幸田さんの小説は大変おもしろくて、頑張って読んでおります。
「日本国債」や「日銀券」など、もっぱら専門の金融分野の小説が多いのですが、その中でこの本は異色の存在です。しかも、大変おもしろい!!
あとがきのなかで、この本を書くために作家になった、とまで言われている意気込みが伝わってきます。
時代は、幕末。舞台は彦根。となると、勘の良い方は、井伊直弼の名前が頭に浮かぶでしょう。
タイトルとなった「藍色」は、実は「染付の磁器」の色です。
幕末の一時期、絹屋半兵衛なる呉服商人が、美しい磁器(有田焼)に魅せられ、私財を投げ打ち、「湖東焼」という新たな窯を起業すると言う物語です。
さまざまな障害を乗り越え、事業は無事スタートいたしますが、順調に進んだところで範に召し上げられ、最後は、数奇な運命をたどった藩主と共に、その短い歴史を終えます。
歴史的に短い期間しか製作されなかったため、多くの作品は残されていないようです。彦根の資料館には何点か展示されているようなので、一度見に行きたいと思っています。
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