2013年1月2日水曜日

2012年12月


今月は14冊。そのうち一つは全四巻、一つは上下巻だったので、実質18冊ということになるでしょうか。今月もそれほど順調には読み進めなかった。何冊か読み続けにくいタイプの本があって、どうもそれがネックになってしまったようである。期待して読んだフィリップ・カーの小説は残念ながら、従来の作品ほどおもしろくなかった。トム・クランシーのジャック・ライアンシリーズもネオコン的色彩が強くなってきて、若干鼻白む思いである。やっと読むことのできた白熱教室はおもしろかった.教室での熱気が伝わってくるようで、こういう世界になれた連中と戦っていくには、今の日本の若者達よ大丈夫だろうかと心配する。


001/245
とりあえず買って読んでみたのだが、これがなかなか読みづらい。難解と言うことではないのだが、取っつきにくく読みづらい本であった。おかげで読み切るまでに3週間くらいかかったのではないか。(12/3

002/246
ジャック・ライアンシリーズなのだが、彼が大統領を引退した後の物語で、彼の息子が大活躍するという物語。9・11テロの実行犯がモデルとなって物語が展開する。内容的には、やや偏りが見られるように感じられ、ちょっとこのまま読み続けるのはいかがなモノかと思ってしまう。どうもまた、この続編が出ているようなのだが、どうしようか。(12/16

003/247
シリーズ第3弾。ここにきてようやく主人公の二人に甘い雰囲気が漂い始めるのだが、結論は先送り。物語はまだまだ続く感じ。そして、この物語はドラマのスペシャル編として、出てくるのではないか。そんな感じ。(12/18

004/248
セカンド・エンジェル」フィリップ・カー
彼の小説は好きなのだけれど、これはちょいと難解すぎてついて行けない。血液の伝染病が蔓延し、純粋な血液が通貨以上に尊ばれる未来を描いたSF小説なのだが、何やら妙に説教くさくなり、読み進むのに苦労した。(12/19)

005/249
どうも、前に一度読んだ本を間違えて再び借りてきてしまったらしい。どうしようかと思いながら、まぁいいか!?と時間つぶしに読んでみた。こんなに不祥事続きの支店って、存続できるのでしょうか。(12/23)

006/250
数年前にテレビでブレークした“正義”についてのハーバード大学での講義録。同大学でも屈指の人気授業らしいが、それにしても出席する学生のレベルの高さには驚き。もちろん出席する1000人の学生のうちのほんの一握りだとは思うのだが、それにしても、あの参加意識、問題意識、そしてなによりも“自分の考えをぶつける勇気”に喝采を送りたい。特別付録の東大特別授業では、日本の学生もそれなりにしっかり成長しているようであるが、これが東大ではなく、民間のリーダーを育てる他の大学でできればもっとすばらしいと思うだが。(12/23)

007/251
カラマーゾフの妹」高野史緒
今年の江戸川乱歩賞受賞作。この作者の場合は、新人ではなく既に実績のある作家であるところが非常に珍しく、冒頭にこの賞に対する作者の考えや思いが強く綴られている。作品としては、ドストエフスキーの名作の続編という位置づけで、ミステリー仕立てになっている。ただ、私自身本編を読んだことがないので、このおもしろさが今ひとつしっくりとは伝わってこない。審査員の評価では、ダントツと言うことなので、よほど他の作品のレベルが低かったのではと思われる。(12/24)

008/252
彼の本をまともに読んだのは、おそらく初めてではないだろうか。テレビでも人気の火山地震学者で話し方もわかりやすい。この本もそのご多分に漏れず、様々な気象現象や災害について、素人にもとても解りやすく書かれている。四季折々の支援が美しい日本は、その自然が起こす災害と切っても切れない関係にあり、うまく折り合いを付けて暮らしていくことが必要だ。1995年の阪神・淡路大震災以降、日本の地盤は活動期に入ったと言われ、この先数十年はさらなる注意をしながら暮らしていかなければならない。(12/26)
 
009/253
木暮荘物語」三浦しをん
木暮荘なるおんぼろアパートを舞台に繰り広げられる何ともエロチックな連作短編集。登場人物達は誰もが何かしら心に鬱屈を抱えつつ、一生懸命に生きていく様が小気味よい。中には少しドキリとさせる台詞もあったが、あえて口にはすまい。女性ならではの視点なのかな。(12/28)

010/254
ビジョナリーカンパニー③ 衰退の五段階」ジェームズ・C・コリンズ
シリーズの第三弾で、ベストセラーとなった第二弾“~飛躍の法則”などで取り上げられた企業のうち、その後転落していった企業について、その原因を分析したもの。衰退の五段階とは、①成功から生まれる傲慢、②規律なき拡大路線、③リスクと問題の否認、④一発逆転策の追及、⑤屈服と凡庸な企業への転落か消滅。全てがこのステップを踏むわけではないと思うが、“傲慢さ”が鼻につくようになると、第一歩を踏み出した兆候だろう。(12/29)

011/255
渋沢栄一の年代記のうち、彼が世に認められるきっかけとなった、徳川昭武の欧州留学に同行した際のエピソードを中心に書かれたもの。ただ、出典が本人の回顧録である“雨夜譚”であったうちはよいが、なぜか小説の中のやりとりをあたかも事実であったかのように記述してみるなど、なかなかに破天荒な作りとなっている。(12/29)

012/265
オー!ファーザー」伊坂幸太郎
彼の本は久しぶりかも。新聞に連載されたものだそうだが、途中で章立てがしてあるでもなく、ただただ連綿と続いていくだけに、休息を挟むところが難しい。(12/30)

013/266
ホテルジューシー」坂木 司
沖縄の妖しげなホテルを舞台に起こるエピソードによる連作短編集。(12/30)

014/267
『軽症うつ』を治す」三木 治
ふと思い立って読んでみたが、内容的には少し専門家向け。プライマリケア医の必要性を強く訴える内容となっている。(12/31)