2021年1月6日水曜日

2020年12月

2020年の最終月は23冊、内小説が15冊、それ以外が8冊。そして2020年一年では243冊という結果となりました。

 

せっかく23冊も読んだので、お薦めの本を紹介したいのですが、残念ながら今月はこれと言った本には出会えませんでした。ちょっと残念です。

 

ただ、クリスティ作品を4作読み、戯曲ではありますが検察側の証人は面白かったです。実際の舞台で見てみたいですね。

 

また古い作品ですが、Anotherの2作は、期待を裏切らず、それなりに面白かったです。最新作を早く読みたいですね。館シリーズで有名な作家さんで、昔そのうちの一冊を読んだ記憶があるのですが、どれだったのか全く覚えていません。ただ、本格過ぎてめんどくくさいと思ったような記憶があります(失礼)。いろいろ調べてみると、この作品は映像化もされているんですね、話の肝になる設定は、どう処理されたのでしょうか?一度その映像化作品も見てみたいと思います。

 

小説以外では、AIVRといった次世代技術に関する本を読むようにしました。なかなか文系の私には理解しにくい用語があったりして、すべてが頭に入ってくるわけではないのですが、これからの社会を生きていこうとするなら、避けては通れないものだと思い、まさに勉強ため、無理して手に取った感じです。特にこのコロナ禍で人と人とがヴァーチャルでつながることが当たり前になり、この流れは後戻りできないと思っています。もちろん揺り戻しも起きるでしょうが、トレンドとしては揺るがないのではないでしょうか。

 

冒頭にも書きましたが、2020年はおうち時間が多かったこともあり、久しぶりに200冊を超え、最終的には月平均20冊というところまで読むことができました。以前にも書いていましたが、基本的には量より質と思っていますので、より面白い、興味深い本を読んでいきたいと思っています。

 

今の関心分野は、次のとおりです。

AIなどの最新技術を倫理的な分野からとらえた本

・私たちのような民衆の淵源をたどる本(食、信仰など)

・残り20年余の人生の指針となるような本

・小説では、ミステリ、歴史小説など

 

また昨年は、企画倒れに終わりましたが、今年は2020年の243冊を振り返って、お薦めの本もピックアップてご紹介したいとも思っています。

 

2021年の幕開けも、新型コロナウイルスの猛威は衰えることを知らず、さらに感染が拡大することも考えられます。この危機を乗り越えるためにはどうしたらよいのか、今のところ誰にも答えは見いだせていないようですが、人類の英知を持ってすれば、乗り越えられない危機はないと信じています。

 

皆様、2021年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

001/221

ほろ酔いばなし 酒の日本文化史」横田弘幸

著者はもと読売新聞社の記者さんで、姉妹紙に書かれたコラムを基に編集された読み物です。お酒に関するあれこれを読みやすくコンパクトにまとめられています。古来、酒といえば日本酒のことで、基本的には日本酒に関して書かれており、そこには日本酒に対する強い愛も感じます。個人的には、私が若い頃の日本酒って、本当に悪酔いするようなお酒がほとんどで、本当に美味しくて飲みやすい日本酒を入手しようとするのが難しい時期で、それを求めて地酒が大ブームにもなりました。今は、醸造技術だけでなく、おいしさを守るための工夫もされていて、どのお酒も本当に美味しくなりました。それでも消費量は依然として下降傾向だそうで、とても残念です。頑張って少しでも消費しないと。(12/1)

 

002/222

特捜部Q 知りすぎたマルコ」ユッシ・エーズラ・オールスン

これは、デンマークが舞台のミステリシリーズです。一冊一冊が結構分厚くて、この本も500数十ページの大作でした。本当ならシリーズの最初から読みたかったのですが、たまたまこの本が目についたので借りてきました。シリーズ5作目だったと思います。デンマーク、特にコペンハーゲンの闇の部分が描かれており、興味深いエピソードが続きます。どこの国でも移民問題というのは根が深いですね。面白かったですが、シリーズを重ねることで登場人物のキャラクターができあがっているので、途中から読み始めたのは大失敗でした。(12/5)

 

003/223

幕の殺人」アガサ・クリスティ

これもポアロものです。俳優や演劇関係者が登場し、あたかも三幕ものの舞台のように物語が展開します。謎解きをするポアロが登場するのは最後の三幕目だけ、それまでは他の登場人物たちが探偵役となって物語を引っ張っていきます。最後はあっと驚く結末にたどり着くのですが、殺人の動機として成り立つのか否か、そこはやや疑問符。(12/6)

 

004/224

日本霊異記の世界 説話の森を歩く」三浦佑之

日本国現報善悪霊異記というのが正式な書物のタイトルです。この書物その物にもたいそう興味があったのですが、何度か図書館から借りてきて、そのままお返しすると言うことが何度が続いておりました。この本は、そんな霊異記の100話あまりの物語をタイプ別に分類し、解説を加えた物で、入門編として読んでみました。現報善悪とついているところから分かるとおり、いわゆる仏教渡来後の説話を集成した物で、どの物語にもなにがしか教訓めいた内容となっており、 近いうちにまたリベンジしようと思っています。(12/6)

 

005/225

Another」綾辻行人

今年、本作の続編が発表されてベストセラーになっています。そこで、その本を読む前に前の作品を読もうと考え図書館で借りて参りました。600ページを超えるかなりの長編で、超常現象を取り扱っているということもあり、読むのはしんどいかなと思っていたのですが、これがどうして、いわゆる本格ミステリの作りになっていて、物語のあちらこちらに蒔かれた伏線も、しっかりと回収されています。この作者の作品は、かなり昔に一作だけ読んだような記憶があるのですが、また少し読んでみようかなと思っています。面白かったです。(12/12)

 

006/226

竹林の七探偵」田中啓文

これはどこで聞いたのだったろうか、思い出せないのですが、日本では邪馬台国の卑弥呼が君臨していた頃の中国が舞台、いわゆる竹林の七賢と呼ばれた人たちが、大酒を飲みながらを解いていくという物語。ただ残念ながら謎を解くのは彼らではなく、華虞と言う名の謎の女性。この七賢というのは実在した人物たちらしいのですが、当時は優秀な人物であれば、人の妬みを買い讒訴され、命を失うこともあったとかで、を隠しながら、清談にふける彼らの存在が敬愛されたとか。とにかく彼等の呑みっぷりがすごい。(12/12)

 

007/227

検察側の証人」アガサ・クリスティ

名作と呼ばれている作品ですが、短編小説と戯曲があって、これは戯曲の方。法廷物のミステリなのですが、裁判制度が全く違うので、少しわかりにくいところもありました。ただ、それを措いても、驚くような大どんでん返しが用意されていて、なかなか面白かったです。映画化もされましたので、御存知の方も多いと思いますが、どっかで探して見てみたいなぁ。

(12/13)

 

008/228

アフターデジタル2 UXと自由」藤井保文

昨年出版されたアフターデジタルの続編で、デジタル化のその先の世界を語っておられ、コロナ禍の影響についても言及されている。本来なら前著を読んでからと思ったのだが、何故か本書の方が図書館で先に借りられるようになってしまい、先に読んでしまいました。本書で繰り返し言及されているのが、ビッグデータそのものから収益をあげると言う考えでは、絶対に上手くいかない。ビッグデータを活用してユーザーエクスペアリアンスに還元させることで収益を上げると言うこと。そのために、どうやってビジネスモデルを作っていくかと言うことを解説されているのですが、あまりに専門的かつ抽象的で、さっぱり理解できなかった。こいつはかなり難しい。(12/13)

 

009/229

東大准教授に教わる 『人工知能って、そんなことまでできるんですか?』」松尾豊、塩野誠

6年前に書かれた本で、人工知能の専門家と企業経営のアドバイザーによる対談をまとめた物です。松尾准教授のお話はわかりやすく理解しやすいのですが、その話題にしっかりついて行くと言うよりも、話をしっかり引き出していく塩野氏の博識ぶりには舌を巻きます。6年前というと、感覚的には一昔前位の感じかもしれないですね。技術の進歩もさることながら、倫理的な側面の進歩というのも当然あるのだと思いますが、どうなのでしょうか。そういった面での資料も探してみたいと思います。(12/16)

 

010/230

秘密機関」アガサ・クリスティー

トミーとタペンスという夫婦探偵シリーズがあって、これはその第一作。幼なじみの二人が大戦後に再会し、結婚するまでの冒険譚が描かれています。いわゆるスパイ物のサスペンスなのですが、あまり緊迫感はなく彼女にとってはあまり得意な分野ではないのかなと思います。でも、最後には大どんでん返しが準備されていたりと、ミステリの要素はしっかりと踏んでいます。ただ、最後のどんでん返しは、なんとなく途中から予想のつく結果ではありました。(12/19)

 

011/231

Aanother エピソードS」綾辻行人

これは先日読んだ小説のサイドストーリーです。一応つながりは破綻せずつながっているようで、さらに今年バストセラーになった続編へのつながりもちゃんと準備されているようです。物語は、前作で描かれた事件の真っ最中の夏休み。主人公が数日間自宅を離れて別荘で過ごしていた期間に出会った幽霊を巡る物語です。途中までは、その幽霊が語り部となって物語が進むため、これはいったいどうなるのかと危惧していましたが、最後はしっかりと謎が明かされ、ミステリとして成立しています。なかなか上手いですね。続きを読むのが楽しみです。(12/19)

 

012/232

食堂のおばちゃん」山口恵以子

初めて読む作家さんです。実際に食堂のおばちゃんとして働いた経験を持つ著者が、過去の経験を生かして(?)、描いた物語です。舞台は東京佃島に店を構える定食屋さん。元々は寿司やだった店を、洋食屋として改めて開業していたところ、、主人が亡くなった後に奥さんと息子が定食屋に転業、そして息子さんも亡くなり、今ではその奥さんと義母のふたりで店をまわしています。周りの常連さんたちに愛されながら営業していく様が心地よい。これは第一作で、このあとシリーズ化されいます。出てくる料理もおいしそうでたまりません。また、続きを読んでみようかなと思います。(12/19)

 

013/233

VRが変えるこれからの仕事図鑑」赤津慧

コロナ禍前の昨年に出版された本なのですが、この一年で様相がすっかり変わってしまっていると思いますが、まずは基礎知識をつけようと思って借りた本です。よく似た言葉にAR、MRという言葉があり、実は私自身はその区別もついていないくらいの素人なのですが、この本を読んで、どうやらすごいことが起こっているらしいと言うことがボンヤリとですが分かってきました。ただ、この本でも書かれていますが、まずは一度体験してみないとそのすごさは分からないというのが真実だと思います。コロナ禍により一気に注目を浴び、爆発的に普及していきそうな予感がする技術です。どこか手軽に体験できるところがあれば、ぜひ体験してみたいなぁ。(12/20)

 

014/234

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ」川上和人

これは、どこで見かけて気になったんだか思い出せないのですが、鳥類学者というとても珍しいお仕事をされている著者の抱腹絶倒エッセイです。本来的には非常に専門的なことも書かれており、小笠原諸島でのフィールドワークなどは、具体的で実際にその倍いているかのような気になります。ただ、それ以上に間に挟まれているネタが面白すぎて、そっちにばかり目がいってしまうと言う弊害もあります。でも面白かったです。著者にとっては2作目だそうなので、前作も是非読んでみようと思います。

(12/20)

 

015/235

詩羽のいる街 」山本弘

彼の本は二冊目です。前の本がSF小説だったので、これもそうかなと思ったのですが、さにあらず、むしろとてもハートフルなすてきな小説でした。主人公の詩羽というとても不思議な魅力を持った女性について、初めて彼女と遭遇した人の口を通じて語られます。なかなか芽の出ない漫画家志望の男性、自殺をしようとしていた女子中学生、人を不幸にすることを生きがいにしている中年男性、詩羽という人物の存在に興味津々の女性、それぞれに問題があり、その問題を主人公が解決していくという物語です。しかもその解決方法というのが、、、古い本ですがなかなか良かったです。(12/21)

 

016/236

日没」桐野夏生

話題になった小説です。岩波書店の世界に連載されていたんですね、とても珍しいんじゃないでしょうか。さて、時代設定はいつ頃なんでしょうか、いつの間にか退廃的な小説を書く小説家を矯正させるための制度ができあがっていて、主人公の作家は、訳も分からないままとある施設に収容され、自己反省を迫られます。最後まで救いが見いだせない恐ろしい物語でした。この小説では国家権力が介入するので、あたかも近隣の国の様子を見ているようですが、放っておくと、こんな社会がやってきてしまうかも。(12/26)

 

017/237

透明人間は密室に潜む」阿津川辰海

表題作は透明人間が出てくるのですが、一応本格推理小説集なのです。初めて読む作家さんで、今年の各種ミステリ年間ベストテンに選ばれている作品でもあり、借りてきました。ワチャワチャ感があって、それなりに面白いですが、やはり本格推理物は長編の方が良いですね。勝手な嗜好です。(12/27)

 

018/238

尼子姫十勇士」諸田玲子

戦国時代に中国地方で勢力を誇った尼子氏が、毛利氏にいったん滅ぼされたの後、再興を図るため、山中鹿之助を中心に立ち上がり、毛利に立ち向かうという物語です。一応史実には基づいているのですが、タイトルからも類推できるとおり、妖術や精霊が出てきたりと、かなり自由に筆を進められています。決して嫌いなカテゴリーではないのですが、若干話が小さくなってしまっているのかと言うのが正直な感想です。どうせならもっと振り切った方が良かったのに。(12/30)

 

019/239

スタイルズ荘の怪事件」アガサ・クリスティー

100年前に書かれたクリスティのデビュー作、ようやく読むことができました。ポアロの初出作でもありますが、めちゃくちゃイヤなやつに描かれていて面白いですね。デビュー作にも関わらず、今のミステリの要素はしっかりと踏まえられています。さすがですね。読んでいると、当時のイギリスの田園風景が浮かんでくるようで、それだけでも面白い作品です。(12/30)

 

020/240

あと少し、もう少し」瀬尾まいこ

昔一度読んだことがあるのですが、なんとなく読みたくなって借りてきました。ご存じの通り、作者は京都府内の中学校で先生をされていて、ちょうどこの作品を書かれていた頃には、退職をされたところなのだったのかなと想像します。中学校の駅伝大会が舞台で、それに出場する6人の生徒それぞれにまつわるエピソードが描かれています。何度読んでも心温まる物語です。(12/30)

 

021/241

オオカミは大神 狼像をめぐる旅」青柳健二

神社に祀られている狼像に魅入られたカメラマンさんが、関東地方を中心に撮影された写真を基に、その神社の由来などを取材されたルポルタージュになっています。実は私の生まれた家の近くに大川神社という神社があって、そこはオオカミを祀っているんだと、昔々ある本で読んだことがあります。残念ながら、それ以後同様の記述には出会うことがなく、ホンマやろかと疑念を持っています。ただ、古来オオカミは害獣を追い払う益獣であったようで、五穀豊穣を願う農耕神のもとでは神の使いとされてきたそうなので、あながち嘘でもないのかなと思っています。古代の民衆の歴史って、こうやって妄想を膨らませていけるところが良いですよね。(12/30)

 

022/242

北天の馬たち」貫井徳郎

横浜の馬車道というおしゃれな町で、二人の若者が探偵事務所を開くところから物語が始まります。なにやら曰くありげな二人なのですが、案の上、大事件に遭遇し、命の危険にさらされます。途中までは普通に読めるのですが、中程からかなり無理な展開が続き、少し冷めてきます。残念。(12/31)

 

023/243

中国の神話」アン・ビレル

2020年最後の一冊は、この本になりました。中国には、古事記などのように体系的にまとめられた神話という物は存在しないようで、様々な書物に断片的に残されています。それというのも、日本と違い圧倒的に歴史が古く、多くのに別れ勢力を争っていたことから、統一的な神話とはならなかったことが想像できます。この本は、海外の研究者によって書かれた物なのですが、専門家ではない方がされたような翻訳がやや残念な気がします。違う形でまとめられた本もあるようなので、次回はそれにリベンジしたいと思います。(12/31)