2014年8月3日日曜日

2014年7月

7月は16冊、うち小説は7冊という、まぁ平均的な月でした。

その7冊の小説は、ほとんどが元々好きなミステリ小説で、初めて読んだ作家もありましたが、唯一面白かったのは、実はミステリではない“さよなら妖精”という1冊でした。青春期の甘酸っぱい思い出を懐かしむ類いの小説化と思いきや、実はその背景にとても重い国際問題が隠れているという、ちょいと意表を突くストーリーでした。

その他の本では、結構読み応えのある本が多数ありました。まず文句なしにお薦めなのが、田坂広志さんの“知性の磨き方”と鈴木敏文さんの“売る力”の2冊で、どちらもほとんどの著書には目を通していて、書かれている内容もそれほど大きく変わるわけではないですが、何度読んでも気づかされることの多い方々です。そのほかには、最近のブームでずっと探していた“アドラー心理学入門”、かなり以前の本ですが、ほぼ品切れ状態になっていたのを、最近のブームで増刷されたもので、本屋で見つけてすぐに買ってしまいました。子育てや教育の分野で語られることの多いアドラー心理学ですが、実は別の分野でも十分当てはまるのではないかと思っています。また、もう1冊のお薦めは“クロネコヤマト『感動する企業』の秘密”です。いわゆる企業内幕モノなのですが、この会社の魅力が非常に読みやすく書かれています。

さて、8月はどんなラインナップになるのか、自分でも楽しみです。

001/082
千里眼の教室」松岡圭祐
なつかしいなぁと思って読んでみたのだけれど、私の知っている岬美由紀はこうじゃないと痛切に思ってしまった。まぁ、おもしろいけどね。(7/1)

002/083
知性の磨き方」田坂広志
彼の著書は基本的に好きなのです。最近なかなか新しい本が出ていなかったので、久しぶりに見かけて、つい買ってしまいました。どうもこうやって本を読んでいると、どうしても知識偏重になってしまいがちですが、なんとかそれを脱却して、自分の知恵を磨いていきたい。そのためには様々な経験、やってみることが必要で、さらにはいろいろな人の話も聞いてみたい。“賢く”なりたい。(7/2)

003/084
タイムマシンのつくりかた」ポール・デイヴィス
あこがれのタイムマシンのつくりかたに関する書籍なのである。とりあえず読み通したから、これで私にもタイムマシンが作れるはずなのです。(7/4))

004/085
アナザーフェイス」堂場瞬一
出張の移動中に列車内で読むために購入。何やらシリーズ化されているようで、それも結構人気があるらしい。それほど心を打つような無いようではなかったような印象なのだが。(7/8)

005/086
アドラー心理学入門」岸見一郎
最近にわかに脚光を浴びるアドラー心理学の入門書。アドラー研究の第一人者だけあって、とても平易で判りやすい。そしてさらに誰にも共感できるその理論に脱帽する。人は常になり知事分になるために行動する。全ての行動は自分が決定している。まさに真理だと思う。(7/12)

006/087
うつと戦うことは如何に難しいか。この本の著者のように、頭が良い人ほど難しいと言うことがよく判る。誰もが陥る可能性を持っている“うつ”という病。しっかりと認識して、予防を心がけたい。うつはきっと予防できる。(7/12)

007/088
“やりがい”という言葉の裏に隠された欺罔の世界を赤裸々に暴露する。そうなんだ、誰もが感じる素朴な疑問をこうやって口にし、常に意識することで、この世から悪しき欺瞞の歴史が去っていく。私たちは、この耳に響きの良い言葉で、如何に騙されているか。でもついつい“やりがい”という言葉で納得してしまう自分がいるのも事実。(7/15)

008/089
心身の社会学者によるある種の“若者論”。必ずしもわかもとという言葉でひとくくりにしている訳ではなく私にも十分共感できる内容となっている。特に今のリーダー待望論。これほど危ういことはないと思うのだが、昔の暗い歴史を忘れてしまったのかね。今本当に求められる人材は、自己決定できる人材、自分で決められる人材。そういう人材こそが待望されている。(7/18)

009/090
ヤマト運輸って、こんなに凄い会社だったんだと改めて思う。運送業にとっての顧客とは何なんだろうか、そのことを真剣に考えた結果、今のヤマト運輸が生まれたといえる。最近、物流について勉強をしたいと思っていたところで目について購入した物であるが、思わぬめっけものでした。面白い1冊です。(7/21)

010/091
貴族探偵」摩耶雄嵩
なんなんだ、この小説は。移動車中の暇つぶしにと思って買ったのだけれど、なんだかとても読みづらい。2011年の本格ミステリ第一位という触れ込みなのだが、本当か!?(7/23)

011/092
これは、小説の途中で時制が何度も行き来する少々変わった描写方法で展開されるミステリ。おそらく主人公の女性刑事が“ドS”ということなのだと思うが、読む限りではそれほど強烈な個性は感じ取れない。むしろ少しかわいい魅力的なキャラクターにも見えてしまうのは、私が変なのだろうか。続編も出ているようなので、また読んでみようか。(7/26)

012/093
さよなら妖精」米澤穂信
ライトミステリかと思って読んでみたところが、ライトノベルの形を取りつつも非常に重たいテーマを背景に書かれた、とてもおもしろ1冊である。時は1991年、ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦が終結したと思われていた頃、ヨーロッパの弾薬庫と呼ばれたユーゴスラビアからやってきた少女と彼女を取り巻く友人達との非常に切ない物語である。“平和”について改めて考えさせられる、興味深い1冊。(7/27)

013/094
人気シリーズの三作目。相変わらず荒唐無稽なのだけれど、人が死なないミステリーというのは読んでいて安心する。(7/27)

014/095
教場」長岡弘樹
昨年でたミステリ小説の中ではかなり上位の評価を得た小説で、ようやく図書館で見つけ読むことができた。舞台は警察学校、その閉鎖空間での人間模様から起こる様々な事件を描いた新しいミステリ。警察学校が舞台であるから、登場人物のほとんどは警察官。それが、何かの拍子で罪を犯してしまう。何か不思議な読後感が残るミステリ小説である。(7/28)

015/096
気鋭のノンフィクション作家による災害ルポなのだけれど、どうも読んでいても文章がしっくりと胸に落ちてこない。2011年9月に紀伊半島を襲った台風12号災害の現場をたどったノンフィクションで、一生懸命描写してくれるのだが、なかなか頭の中にそれをイメージできない。できない私が悪いのだろうけど、丁寧に描こうとするあまり、却って読みにくくなっているのではないか、と言う気がします。(7/29)

016/097
セブンアンドアイホールディングスの鈴木氏の著書。何度も聞かされた彼の経営哲学がとても判りやすく語られている。仮説と検証は、私の常の仕事でもできるだけ心に留めておくことにしている。残念ながら心に余裕がないときは、上手く運ばないのだが、特に部下に指導するときによく使わせてもらっている。(7/31)