2013年3月3日日曜日

2013年2月


今月は、19冊のうち、小説が10冊、ノンフィクションが9冊。また作家で言うと、三浦しをんさんが3冊という内訳でした。
小説では、ようやく読んだ「舟を編む」。おもしろかったです。心穏やかに読むことのできる習作でした。そのほかでは「空洞化のウソ」「鉄道復権」が、なかなか良かったです。
「空洞化~」については、我々ももっと真剣に考えるべきテーマだと思いますが、正面から切り込んで分析されたものは少なく、平易な言葉で書かれたこの本は、良い本だったと思います。

001/022
前作の続編。今度は中学生になった主人公が江戸時代へタイムスリップして、プリンの開発に助力する。舞台を変えただけで、話の構成はほとんど同じという、珍しい続編。何でこんなもん書く気になったんだろう?不思議。(2/1)

001/023
南アフリカでアパルトヘイトと戦ったネルソン・マンデラの生き方について、長いインタビューを元に書かれたモノ。ビジネスマンにとっても参考になる考え方が、示されている。特に前半の“リーダーシップ”に掛かる数編は参考になる。時には“蛮勇”も必要である。(2/1)

003/024
日本語教室」井上ひさし
“日本語”について深い考察を持つ著者が、大学で行った講義を、書籍として起こしたモノで、とても読みやすい内容になっている。著者は劇作家、テレビの放送作家でありながら、“日本語”について、非常に良く研究されている方で、確か著書も数冊あったはずである。言葉は時代によって変化すると言われるが、昨今の変化を見ていると、言葉はコミュニケーションの量が増えるに従って、変化して行くモノだと実感する。今のような情報社会では一日にやりとりされる“言葉”の量は、100年前のそれと比して格段に多くなっているだろう。従って、“言葉”が変化していくスピードも格段に早くなっている。この分では、我々の孫の世代とは言葉が通じなくなってしまうのではないだろうか。(2/2)

004/025
タイトルに惹かれ購入したのだが、なかなか読み通すのに時間が掛かってしまった。どうも簡単な話を難しく説明するのが好きな著者のようで、経歴を見ると元官僚と言うことなので、さもありなんという感じ。せっかく今の我々に必要な新しい観点を提示しているはずなのに、あまりにも残念である。(2/8)

005/026
ウィンクで乾杯」東野圭吾
これは相当昔、著者がデビューしてからしばらく過ごした不遇の時代の著書のよう。テンポも内容もあまりに古くさく、読んでいて顔が赤らんでくるくらい。著者としても、今これをそのままの形で重版されても困るのではないだろうか。(2/8)

006/027
空飛ぶ広報室」有川浩
著者得意の自衛隊モノで、今度の舞台は広報室。全体が自衛隊のPRになっていることは良いとして、ベタアマ路線に突入するかと思いきや、そうはならなかった点が、さらにポイント高い。また、小説としては完了していた後に発生した東日本大震災を受け、急遽加筆された最終章は、非常に感動的で、主人公達のあの日の姿をリアルに表現している。とはいえ、直木賞候補はさすがにやり過ぎじゃねぇ?(2/9)

007/028
舟を編む」三浦しをん
昨年の本屋大賞でしたね確か。実際とてもおもしろい本で、感動的な秀作である。愚直な主人公が徐々に成長し、最後に大きな仕事を成し遂げる姿は感動的でもある。(2/9)

008/029
ヒートアップ」中山七里
「魔女は甦る」の続編であったらしい。確かにどこにも書かれていなのだが、どこかで読んだ設定だなあと思っていたら、今作は違う角度で書かれたモノに仕上がっている。あまりに残虐なシーンが多くて、場違いとも思えるシーンが挿入されていたり、ちょいと辟易するが、ミステリーとしては良くできている。(2/10)

009/030
ロスジェネの逆襲」池井戸潤
同じ主人公が活躍するシリーズ三作目。相変わらず勧善懲悪でおもしろい。しかしながら、世のサラリーマンが全て、この小説を読んで溜飲を下げているとしたら、それはそれで情けない。“できれば俺も”と思えるような、そんな気概を持っていたい。また持っていていて欲しいという著者からロスジェネ世代へのエールである。(2/10)

010/031
あいさつは一仕事」丸谷才一
彼の著書は本当に久しぶり。学生時代に“裏声で歌へ君が代を”を読んで以来だと記憶している。本書は、著者がいろいろなところで行った“あいさつ”をまとめた物で、同シリーズとしては3冊目だそうである。挨拶名人と言われている著者によると、挨拶の心得①原稿を準備する②長すぎるのはだめ③余計な前置きは入れない④引用は一つに⑤おもしろい話を入れる⑥ゴシップを有効に使え⑦悪口を入れるなら対策を考えておく。ためになります。(2/11)

011/032
久しぶりに元気が出る一冊。サブタイトルに“スーパー公務員・木村俊昭の人と地域を元気にする仕事術”とあるとおり、一市役所の公務員でありながら地域活性化のため働き続ける著者が、その極意を綴ったモノで、同業にある身としては大いに参考にしたいことばかりである。冒頭の一節は、またもや自慢話かと鼻白んだが、内容はとてもシンプルで、かつ現実的。目次から章題をを拾うと次のとおり。①“楽しい”はつくり出せる。②“経済的に安定したい”を実現する。③“仲間と共感したい”を実現する。④“正しく評価されたい”を実現する。⑤“理想に近づきたい”を実現する。⑥全体の最適化を図る。⑦木村流“できるに変えていく”シゴト術。(2/11)

012/033
対談 国家・宗教・日本人」司馬遼太郎 井上ひさし
私にとってはとても意外な組み合わせの二人。どうやら思想の系統としては、同じ系統に属するらしい。対談の時期は1995年頃と言うから、バブルが崩壊し、失われた20がそれとは知らず始まった頃。オウム事件があるなど、世の中が何やら不穏な方向に流れてきたぞと、皆が少しずつ不安に思い始めた頃である。結局彼らが危惧したとおりの世の中になってしまった。悲しいことである。(2/11)

013/034
むかしのはなし」三浦しをん
日本のむかしばなしからインスピレーションを受け書かれた短編集らしいけど、よくわからん。例によって作者がまだ若かりし頃の小説。彼女の場合、年を重ねるごとに上手くなっていった典型なのかしら。ほんの7~8年前の小説なのだけれど。(2/13)

014/035
神去なあなあ夜話」三浦しをん
林業小説第二弾。ちょっとだれだれになってきたような。(2/17)

015/036
それほど期待していなかったが、結構おもしろい本。日本では、公共交通機関の代表である鉄道については、国民生活の基本である“移動”の担い手であるにも関わらず、公共ではなく民間が担わせられるという構造になっている。国鉄当時の労働争議に端を発した“偏向的な思考”が徒となったためか、非常にいびつな構造と言わざるを得ない。本来国民の移動手段というものは、公共が整備して提供すべきものではないだろうか、そのツケが地方の荒廃、東京への一極集中につながっている。もはや本来の形に戻すことはできないのだろうか。(2/18)

016/037
インバスケット・トレーニングというらしいが、今ひとつよく判らない。単なるケーススタディとは違うらしい。彼以外の人が書いているのは見かけないのはなぜか?(2/22)

017/038
壬生義士伝(上)(下)」浅田次郎
なぜか長く掛かってしまった。幕末の新撰組を舞台に、岩手県出身の脱藩浪士の生き様を本人と関係者のモノローグで綴る長編小説。形式としてはあまり見かけない手法。さらには随所で挟まれる、南部なまりが小説の臨場感をさらに際立たせる。(2/23)

018/039
20年前に書かれた彼女にとってはとても珍しいライトミステリー。多彩な才能を感じる。そういえば、この手の本はほとんど書いていないなぁ。(2/25)

019/040
みんな『おひとりさま』」上野千鶴子
フェミニストの大家の著作であるから、心して読んでみました。今巷間で言われている“世代間格差”については否定的で、あるのは“ジェンダー格差”のみと言うのが彼女の主張である。そしてそれは過去にさかのぼっても同様であると。彼女のように人類を、雄と雌の真っ二つに分けてしまい、それぞれに一色の色で塗り分けるような考え方はいかがなものだろうか。私には少々過激に思えてしまう。(2/26)