2020年1月1日水曜日

2019年12月


2019年最後の月は計15冊うち小説が6冊、それ以外が9冊。そして2019年の合計は168冊、つまり月平均14冊という結果でした。

さて、12月の15冊についてですが、まず小説では、時代小説の名手2名、澤田さんと朝井さんの2冊が期待通りで面白かったです。澤田さんの小説は明治維新後、浅井さんの本は江戸時代と時代は違えど、いずれもその当時の庶民の生活が描かれていて、見たことはないけれど、きっとそうだったに違いないと思わせるような書きっぷりは気持ちいいです。オフたちの小説おススメです。

それ以外の本では、“壱人両名”が秀逸でした。私の持っている常識外のことが普通に存在していたということも驚きですし、それがきっちり記録として残されているというのも面白い。記録するというのはほんとに大事なことだと改めて思います。

あとは芦田愛菜さんの本は、すごかった。とても中学生の読書量とは思えません。忙しい時間の合間にこれほどの本を読み、内容をちゃんと語れるというのは素晴らしいことだともいます。これからもたくさんの本を読んで、いろんな人生を楽しんでもらいたいと思います。

さて、2019年は月平均14冊と言うことで、ざっくり二日で一冊という感じですね。周りの皆さんからは、速読と言われますが、決してそうではなく、平均的な方だと思います。
ただ、結構集中して読むことが多いので、短い期間で読めてしまうのかなと思います。

久しぶりに長い年末年始の休暇ですが、この間は殆ど本を読むこともなく、のんべんだらりと過ごしています。本当はこの機会に読みたい本を大量に買い込んだのですが、全く手がつけられていません。これらの本たちの運命はどうなってしまうのか、今後の感想文にご期待ください。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

001/154
以前からなんとなくキャッチーなタイトルが気になっていて、いつかは読もうと思っていたもので、今回は図書館で借りてきました。とある高校を舞台にしたライトミステリで、日常に起きる小さな事件の謎を解くという短編集なのですが、どうやらこの前段に、この学校でマスコミを騒がす大きな事件があったようで、その物語を読んでいないため、登場人物のキャラクターがイマイチつかみきれないまま読んでしまいました。読む順序を間違えました。
(12/1)

002/155
驚くべきCIAの世論操作」ニコラス・スカウ
私たちの記憶に残っている、湾岸戦争やイランコントラ事件など世界を騒がせた事件で、いかにCIAが暗躍したかということが書かれています。中央情報局という名前のとおり、情報をいかに統制するかというのが、おそらくこの組織のミッションなのでしょう。つまり情報の重要性を最もよく理解しているのも彼らなのだと言えます。あらゆる情報を監視、蒐集、分析し、保管する。これらがしっかり体系的にできている高度な組織なのでしょう。その辺が日本との違いですね。なんでも捨ててしまったと強弁する姿勢は、為政者として失格と言わざるを得ません。この本の中に出てくる事件や人物にあまり馴染みがなく、事件の内容はほとんど記憶に残らなかったのですが、長い歴史の中でこの組織が果たしてきた役割は良く理解できました。ただ、この本ではトランプ大統領の出現以降の状況は描かれておらず、ここ2年間の状況がとても気になります。
(12/3)

003/156
今から20年以上前に書かれた家族・夫婦にまつわる短編を集めた物なのだが、そのテーマが、ストーカー、家庭内暴力、育児放棄など非常に今日的な話題を盛り込んだお話となっている。描かれている風景は、当時の物なので、現代から見ると若干古さは否めないので、若い人には少し読みにくいかもしれませんが、我々の年代には、特に違和感なく読める本でした。(12/5)

004/157
以前、テレビドラマにもなりましたが、警視庁にある架空の組織が活躍する警察物の小説で、結構人気があるらしく、シリーズ4冊目の作品集です。彼の小説は好きなので、このシリーズもポツポツ読んでいます。結構面白いですよ。(12/8)

005/158
まなの本棚」芦田愛菜
この子はまだ中学生なんですね、びっくりです。今も忙しい仕事や学業の合間を縫って年間100冊以上の本を読んでおられるそうで、最近では令和への改元の際のテレビでのコメントが絶賛されていますね。この本では、これまでに読んだたくさんの本の中から、これぞと思われる本をコメント付きで紹介されています。分野は古典文学から児童書まで多岐にわたっており、その幅広さには驚嘆します。自分が中学生の頃って、ほとんどSFとミステリに偏っていて、古典、近代文学などにはほとんど興味がありませんでした。これほどの読書量もすごいけど、それをこうやって人に語れるというのもすごいです。驚きました。
(12/11)

006/159
名残の花」澤田瞳子
主人公は、江戸時代末期に蛮社の獄などを主導し、妖怪として恐れられた鳥居耀蔵。後年旧悪を暴かれ丸亀に幽閉されている間に明治維新を迎え江戸へ戻ってきます。ところがあれほどの精力を傾けて守ったはずの江戸が、跡形もなく壊されてしまっています。そんな中で出会った若い能楽師 と共に様々な事件に遭遇します。まぁ、空想のお話なのですが、ご一新なったはずの明治の御代の行く末を心配しながら物語は終わります。守りたいと思うものを捨てねば手に入らぬ繁栄が、果たして人に必要なのか。同感です。
(12/14)

007/160
いろんな新聞雑誌の書評で数多く取り上げられていたことから、楽しみに読みました。いやぁとても面白い。初めて知ったことばかりで、ホントに興味深く、一気に読んでしまいました。最初は、通称遊び人の金さん、実は北町奉行遠山左衛門尉景元。のようなお話かと思っていたのですが、江戸時代には本当に二つの名前を使い分けていた人たちが、結構多数いたようです。この本では、最初に身分について、詳しく書かれていて、私たちがこの言葉に対して持っていたイメージをがらりと変えてくれます。身分とは、人の現在地の様なもので、それが何らかの上下関係を持ったものではないようです。そんな中で、百姓でありながら商人であるとか、商人で有りながら士分であったり、といったような例が多数見受けられるそうです。この本の中には、そんな例が多数紹介されていて、いずれも物語のように楽しめます。いやぁ、ホントに面白くてお薦めです。(12/15)


008/161
これも、少し前に出版された日本語に関する本なのですが、この本では、江戸時代末期の外国との条約締結の経過を追いながら、通訳・翻訳の作業を解説しています。その昔、最初の接近遭遇時は、漢文でやりとりした、というような琴を読んだことがあったが、どうやらオランダ語が活躍をしたようです。確かに、当時いたことは想像できます。一方、世界の趨勢を見てみると、かつて世界を席巻したオランダの衰退は顕著で、変わって英米仏独といった国々がアジアまで進出してきており、その延長線上での日本来航であったわけで、彼の国の人たちには、オランダ語なんて全く念頭にありませんでした。当時の人たちの苦労が忍ばれますね。これまた面白かったです。(12/16)

009/162
これも、地球物理学の解説書で、私の好きな分野です。書かれていることは、他の本と同様目新しいことではなく、これまで読んだようなことが表現を変えて書かれているだけなのですが、ありがたいことに何回読んでも知識として頭の中に入っているわけではない、ので何度読んでも新鮮な思いで読むことができます。きっとまた、同じような本を手にとって読むんでしょうね。(12/17)

010/163
電子書籍で読んだのですが、実物が見えないだけに、ついつい途中で放り出しかけてしまいがちで、この本も半年近くかけて読んだことになります。内容は、脳の構造から見た性差論という感じで、個人的にはあまり好きではないのですが、男性は~~女性は~~という紋切り型の言い回しが何度も出てきます。紹介される事例は、アメリカ国内の件ばかりなので、本当に人類普遍のものって言い切って良いのか疑問に思うところです。(12/18)

011/164
草々不一」朝井まかて
時代小説の名手による人情物の短編集。なかなか面白かったです。忠臣蔵の主役である大石内蔵助の妻を主人公にした物も面白かったですが、表題作にもなっている最終話が、ほろりとさせて良かったです。徐々に平和が当たり前になった江戸時代にあくまでを貫き奉公していた武士が、亡き妻から残された遺書を読むために手習いを始めるという物語です。その頃の武士は、必ずしも誰もが文字を読めたわけではなかったそうで、妻の思いを知るために、子ども達に交じって文字を習い始めます。なかなか良かったですよ。(12/21)

012/165
今年話題になった新書です。面白くて一気に読めました。すべての非行少年たちがそうだというわけではないんでしょうが、多くは認知能力に障害があるというお話で、そういった子どもたちには、罰ではなく教育が必要なんだそうです。頭では理解できるのですが、これが被害者のある犯罪だとしたら、その理由で加害者を許すことができるのかどうかとなると、難しいのかなと思います。犯罪者の対する刑罰については、古くから論争があって、私が大学に入って、初めて受けた刑法の授業で、かなりの興味を持ちながら先生の講義を受けていた記憶があります。“死刑”が、残虐な刑罰の最たるものとされて、廃止されている国がたくさんあります。発想が飛躍しすぎているかもしれませんが、確かに“障害”だったとしても、それが免罪符になってしまうのは少し怖い。(12/21)

013/166
クジラアタマの王様」伊坂幸太郎
ややSFチックな小説です。彼の得意な、とんでもなく普通の人ととんでもなくぶっ飛んだ人のやりとりで物語が進みます。この人物設定の妙が彼の小説を面白くしているんではないかとも思います。面白かったです。(12/22)

014/167
これも、誰かの書評で見かけたのではなかったかな。ブックレットですから、それほど分量のある本ではないですが、内容的には非常に価値のある重い本でした。うちの娘たちを見ていても、我々の頃とはメンタリティが全く違うように思えます。単にしらけているというのでもなく、物事に対して期待しないという姿勢が板についているというか習い性になっているように思えます。とはいいながら、そのことが、未来に対する不安になっていたりするわけでもなく、現状に満足している。なんか不思議。上は見ない、トップは目指さない。それで良いんだろうか。(12/28)

015/168
吉川弘文館が出しているシリーズもので、新聞広告で見かけて借りてきました。短い一章ごとに全く違う人が執筆しており、参考文献からの引用で殆ど済まされている感がして、若干の物足りなさを感じます。“作法”と銘打たれているため、どうしても記録に残っているような、神仏への食事や貴族社会の食事が中心になっているのは致し方ないのですが、今後のシリーズで、私の好きな庶民の生活を垣間見せてくれれば嬉しいな。(12/30)