2012年11月3日土曜日

2012年10月


今月は24冊と久しぶりに順調に読み切ったような気がします。そのうち小説が17冊。相変わらずその割合が高いですが、後半はなぜか新書をしゃかりきになって読んだのですが、何れも図書館で借りた物。さすがに勝手まで読もうという気になった物は少なかった。
その中では「本当のことを伝えない日本の新聞」はとてもおもしろかった。海外の記者から見ると、日本のマスコミというのはどうも変わっているらしい。記者クラブというというシステムも彼らには理解不能と言われている。彼らが機能を果たしてこそ、健全な民主主義は守られる。そういえば昔、「表現の自由」と「知る権利」は民主主義の根幹であると教えられた。あの頃は自分もマスコミ志望だったよなぁ、と懐かしく思い出した。


001/197
中国化する日本與那覇  
非常に興味深い一冊。元々中国は世界の中の先進国であって、文化的にもはるかに進んでおり、まさに世界の中の“中華”であった。いわばかつてのグローバルスタンダードは中国にあった。その中国の物の考え方を理解することは、世界を理解することにつながる。おもしろい一冊である。(10/1)

002/198
素人がいっぱい」新野剛志
なんというかお気楽な小説だけど、あまりに御都合主義になっていないか。まぁ、その程度のお話なのかもしれないが、もう一ひねり。(10/6)

003/199
火車」宮部みゆき
著者の最初のヒット作。今から20年以上昔の本だが、今改めて読み返しても本当におもしろい。その後は推理小説以外の分野で習作を連発するが、こういったミステリももっと書いて欲しい。(10/7)

004/200
転迷」今野敏
シリーズ4作目。やや強引な展開が目についてくる。シリーズ最初の頃の緊張感は徐々に薄れてくる。(10/7)

005/201
本当の舞台裏ってどんなんなんだろう。もし本当にこんな風に正社員と準社員(アルバイト)との間に確執があるような職場なのだろうか。もしそうなら、あまりに悲しい。(10/8)

006/202
子供の抱える諸問題を物にしてきた作家だそうなのだが、今ひとつ流れるようには読めない残念なポルタージュ。大震災後に心に傷を受けた子供たちのために専心するお医者さんがたの姿が上手く書けていない。なんか表現が薄っぺらい。(10/9)

007/203
神去なあなあ日常」三浦しをん
今が旬の作家。三重県の山奥にある山村を舞台にした山林労働者のお仕事小説兼兼青春小説。おそらくは架空の土地である神去村の大自然をこれでもかと叙述しようとするのだが、いかんせん私の想像力が欠如しているのか、その雄大さが心までは伝わってこない。本当ならもっと壮大かつ勇壮な映像が目に浮かぶはずなのだろうが、残念。(10/10

008/204
歴史の中の大地動乱」保立道久
昨年の東日本大震災で、にわかに注目を浴びた貞観地震を始めとする平安時代の地震を歴史資料から読み解いたもの。
10/12

009/205
館島」東川篤哉
著者の初期の長編推理小説、何となく途中からトリックが読めてしまう展開。キャラクターも例によって軽めで、本格推理とはほど遠い。当時から一貫してこの路線を貫いているところはすばらしいが、ここらで一発本格的な(推理)小説が一本欲しいな。(10/13)

010/206
ルドレン」伊坂幸太郎
不思議な小説。それぞれ独立した短編集なのだが何となく連作短編集のようにも見える。最初の頃のおもしろさがほとんど消えてしまっていて、とても寂しい気がする。いろいろと実験を繰り返しているのだろうか。次回作が待たれる。(10/13

011/207
鋼の魂」仁木英之
僕々先生シリーズの最新作。今回は家族、親子の絆がテーマの長編。「子供に明日を見せること。それが親の仕事」という台詞が光る。例によって登場人物がどんどん増える。主人公の弁が全く成長していかない設定には、少しがっかりする。あまりに間抜けに見えてしまうのは残念。(10/14)

012/208
空白の桶狭間」加藤廣
これはトンでも歴史小説。「桶狭間の戦いは無かった」というトンでも説があるのは聞いたことがあるが、それを題材にした小説で、これはどの程度まじめに読めば良いのか、司馬遼太郎のセンなのかそれとも山田風太郎か。(10/14)

013/209
ユリゴコロ」沼田まほかる
読んでいるうちに気持ちが重くなる何やら不思議な小説。最後の展開は何となく予想された展開。これまた親子の愛なのか。うううぅん。ちょっと違うような気がする。(10/16)

014/210
ロマンス小説専門の古書店“アゼリア”を舞台にしたライトミステリー。残念ながら古書籍自体が何かの鍵を握るという小説ではなく、少しがっかりする。彼女の小説はかなり以前に一冊読んだ記憶があるが、タイトルも定かでは無い。軽く時間をつぶすには良いかも。(10/20)

015/211
漫画の原作になり、さらに映画化もされたらしい。全く知らなかったが、どちらかというとハードなアクションミステリーを得意とする著者には珍しい作品。主人公もなかなかに魅力的で、さらに続編、続々編もでているそうな。これは読んでも良いかも。(10/20)

016/212
海の底」有川浩
海底から巨大生物の襲来!自衛隊マニアが描くパニック小説。主人公の彼女はとても良いですね。やたら反抗する少年の描き方は、なんだか痛々しい。そこはやっぱり限界なのかなぁ。(10/24)

017/213
話の運びが雑なわけではないと思うのだが、何やらとても理解しにくい設定が続く。一応この著者の作品は全部読んでいるはずなのだが、その中では少々物足りない作品。タイトルとなっている静おばあちゃんそのもののキャラクターは好感が持てるのだが、何が足りないんだろうか、はたまた何が多いのだろうか。(10/27)

018/214
バッテリー」あさのあつこ
とても評判になった作品を、時間を隔てて読んでみた。どうもこの主人公は好きになれない。続編も書かれているようであるが、続きを読みたくなるような感想は持たなかった。私の好みって、やっぱずれてるのかなぁ。(10/27)

019/215
第三閲覧室」紀田順一郎
評論家だと思っていたら、作家でもあったのね。全く知りませんでした。しかもミステリ作家だったとは。話の中には稀覯本がこれでもかと出てきたり、書籍についての蘊蓄がこれでもかと語られたりと、ついつい注意がそちらに向いてしまう。ただどうも人物の描写はどうにもいただけないなぁ。(10/28)

020/216
本当のことを伝えない日本の新聞」マーティン・ファクラー
今年読んだ新書の中では、ぴかいちのでき。それが日本人の作品では無いというのがいかがなものかと思う。以前から日本のマスコミのありようについては、本来のあるべき姿とはほど遠いと言われ続けてきた。実際のところ、どの新聞を読んでもニュースソースはリリース物ばかりだし、記者や社としての考えはほとんど明確にされない。取材能力もお寒い限りとしか言いようが無い。残念ながらこの本一冊でそれが変わる物ではないと思うが、彼我の相違を見るたびに羨ましく思う。(10/28)

021/217
中国人エリートではなく、日本びいきの中国人エリートの一部、と言った方が正しい。最初からバイアスがかかっている人たちを対象に聞き取りをしてもどうなんだろうかと思う。確かにサンプルはかなり多いけど、もっと厳しい意見があってしかるべきではないか。(10/30)

022/218
世襲議員のからくり」上杉 隆
フリージャーナリストの上杉氏の鋭い告発。まだ麻生さんが首相をしていた頃の出版であるが、状況はそれほど変わっていない。むしろ、まさかあの政権投げだし困ったちゃんが再登板してくるとは世も末である。今のこの政治システムを早く是正しないと、本当に大変なことになってしまう。(10/30)

023/219
よくまぁこんな都市伝説ばかりを集めて新書にできるものである。まぁ都市伝説が生まれるにはそれなりの社会背景があるわけで、それはそれで研究に値するテーマではある。ただどうしてもこの手の本になると、おもしろおかしく自虐的なネタが続いてしまうのは、誠に残念。(10/30)

024/220
君はポラリス」三浦しをん
感動の恋愛短編集らしいが、やや期待はずれ。世間的には受けるんだろうか?判らん。(10/30)