2015年4月5日日曜日

2015年3月

3月は14冊、うち9冊が小説、5冊がそれ以外となった。

あえて、一冊を挙げるとすると、“難民高校生”でしょうか。娘二人の親なので、この年頃の子供達がどう考えているのか、どんな環境に置かれているのか、とても興味のあるところであり、娘達にはしっかり“居場所”を創ってあげなければいけないと、肝に銘じました。

ところで、先月は帰宅後に本を読む時間がほとんど取れず、また朝夕の通勤時も一冊の新書にかかり切りとなってしまったので、かなり不満が残る月となってしまい、でもって、おまけに“これ”という本にも巡り会えなかったので、二重にもやもや感が残ってしまった。こんなことは初めて。
どんな本を読んでも、決して無駄になったとは思わないのだけれど、なんか達成感とか満足感が残らないと悲しくなってしまう。今月こそは。

001/044
首都崩壊」高嶋哲夫
原発事故以来、彼の大仰な書きっぷりにはさらに磨きが掛かったようだ。確かに彼の危惧するところは解らないではないが、あまりの盛りすぎると、辟易してしまう。もう少し細部に目を配った方が良いと思うのだが。惜しいな。(3/1)

002/045
魔術師の視線」本多孝好
彼の本は2冊目くらいだろうか。可も無く不可も無く、問いいたところだろうか。もう少し読んでみないと真価がわからない。(3/7)

003/046
スクランブル」若竹七海
推理小説の様な学園小説の様な。女子校を舞台にした殺人事件を描く。かなりおもしろい。(3/7)

004/047
その昔、読破しようとして最初の4~5冊を読んだものの、その後途絶えてしまったが、最近とある方が、シリーズ読破を高らかに宣言されたことから、改めて読み始めたもの。じっくり読んでみると、何処を訪ねたときも結構駆け足で過ぎているのだが、ポイントポイントで人や歴史を手がかりにその土地の素晴らしさを我々に語ってくれる。あたかも一緒に旅しているような。数奇な歴史にもてあそばれた感のある佐渡島へは、是非一度行ってみたいものである。(3/8)

005/048
相変わらずの読みやすさ。(3/11)

006/049
月とメロン」丸谷才一
随筆の名手と呼ばれた丸谷才一の随筆集。博覧強記であちらこちらにその片鱗が見えるのだけれど、それが本当かどうかは解らない。呼んだ瞬間は、自分も賢くなったような気がするのだが、果たしてそれは使える知識なのか否かが判別できない。おもしろい。(3/14)

007/050
透明カメレオン」道尾秀介
素晴らしい仲間に支えられた主人公。その素晴らしさは最後の数ページにいたって、ようやく明らかになるという周到さ。若干途中で推測できてしまうのだけれど、それでも上手く書かれているなと思う。ただ、途中の物語展開にはかなり無理があるのではなかろうか。まぁ、あれくらいはっちゃけている方がむしろ良いのかもしれないが。(3/14)

008/051
難民高校生」伊藤夢乃
今からおよそ10年前の渋谷・高校生の生活が、著者の経験を踏まえつつ書かれた物。少々デフォルメされた部分もあるだろうとは思うが、それにしても地方に住む我々からすると、かなり驚く内容である。著者の両親はおそらく私と同世代。社会に出た当時、新人類とか共通一次世代などと呼ばれた世代である。その子供達の世代。なんか負の連鎖が続いているような嫌な予感がする。(3/17)

009/052
みんなの少年探偵団」万城目学、湊かなえ、小路幸也、向井湘吾、藤谷治
江戸川乱歩へのオマージュとして編まれた短編集。文体も装幀も何やら懐かしく、子供の頃に読んだ乱歩シリーズを思い出す。五人の作品はそれぞれに味があるが、湊かなえの一編が気に入ったかな。何となく。(3/21)

010/053
ひょっとして、これこそシリーズ完結編なのか。それはないやろ、と思うくらいの大団円で終了。それでも次回作を期待する。(3/22)

011/054
はっきり言ってタイトル負け。途中まではそれなりに世界史の動きの中で経済のグローバル化を追っかけていったものを、最後の方は駆け足で突っ走ってしまう。とにかく読みににくくて、この一冊を読むだけで、ほぼ一ヶ月を費やし、ほかの新書を読むことができなかった。(3/25)

012/055
実際にあった事件を下にして書かれた空想小説。非常にスケールも大きく、何より描かれている人たちが魅力的である。ただ、物語を事故当時と現在の同時進行にしたせいで、現在に出てくる連中が薄っぺらすぎて、やや鼻白むところもある。(3/29)

013/056
三人姉妹殺人事件」赤川次郎
時間つぶしに図書館で読んだ。かなり丁寧さに欠ける筆遣い。(3/29)

014/057

オーラルヒストリーの第一人者が書くインタビューの極意。その極意もさることながら、折々に挿まれるインタビュー対象者との逸話が、その人となりを彷彿とさせて、興味深い。(3/30)

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