2024年7月3日水曜日

2024年6月

ようやく梅雨入りしたとたん鬱陶しい雨が続く6月は、小説が31冊、それ以外が9冊、合計40冊という結果になりました。阪神が弱すぎて、途中経過を見る気にもならなかったおかげで、読書のための時間が急増しました。ありがたいことです。

この月も『御宿かわせみ』を始めとするシリーズものが多く登場し、これらを読み切った後はどうなるのだろうと、若干心配しています。

そんな中でのお薦めですが、これがやや少なくて、試しに読んでみた本が、あんまり自分に合わず、また賞を受賞したはずの書籍も、モヤっとする本が多い印象でした。

まずは、作家名から安心して読める東野さんの『あなたが誰かを殺した』、有川さんの『物語の種』はいずれもとても面白かったです。前者に関しては、本文でも少し違和感について書いているのですが、それを除けば、アッと驚く快作でした。後者は、著者の嗜好・思考が前面にあふれてくるようで、とても面白くて楽しい一冊でした。いずれも文句なしのお薦めです。

もう一冊『駅に泊まろう』も取り上げたと思います。実在する宿泊施設をモティーフにした創作ですが、いわゆるお仕事小説として、良い感じに仕上がっていると思います。キャラ設定に若干の甘さは感じられますが、主人公がこの先どのように成長していくのか、楽しみなるということで良しとします。

続いて小説以外の本には、今月もいい本がありました。

『疫病の古代史』は、先月読んだ『古代史をひらくシリーズ』に一文を寄せておられた方の著書です。過去の史書等の中から丹念に疫病・基金に関する記述を拾い上げられ、その関連性について私のような素人にもよく理解できるように書かれています。とても面白かったです。

『失われた国家の富』は、一世を風靡した『21世紀の資本』と共通する話題でもあって、世界的に貧富の格差拡大が重要な問題となっている中、そのエンジンとなっているタックス・ヘイブンについて、わかりやすく書かれています。ここに書かれているとおり、解決策ははっきりしているのだけれど、決して採用されることはありません。皆が貧富の格差拡大を願っているのか?それとも自分は、決して貧困には落ちないという根拠のない自信があるのか?考えさせられる書物でした。

最後は、我が国の政治の貧困をあぶりだした『なぜ日本は原発を止められないのか』と『世界で最初に飢えるのは日本』の二冊です。

前者は、マスコミの罪も含め、一般国民以外の有象無象が、挙って原子力開発に邁進した様子が描かれています。この恐ろしい原子力ムラの中に冷静な人は誰一人として存在しなかったのか。泣かされるのは常に弱い人たちです。後者は、日本国民の生命・健康を売り飛ばしてしまったかのような農政の失敗を次々に暴露していきます。いずれもが、思考停止、アメリカの言いなり、という日本の政治の在り方を反映しています。いずれもお薦めの新書です。

今年の梅雨は、入りが遅かったにもかかわらず、明けは例年通りか少し早いかも、と予想されています。ここ数日は毎日のように、日本のどこかに線状降水帯が現れるという、激しい天候になっています。

 

 

001/116

心理検死官ジョー・ベケット」メグ・ガーディナー

これは、雑誌か何かで紹介されていたのを面白そうと思い読んだものです。死体の状況を調べる単なる検視官とは違い、死に臨んだ時の死者の心理的な状況を操作する専門官という、おそらく架空の仕立てです。事前に期待していたほどではないかなというのが率直な感想です。(6/2)

 

002/117

あなたが誰かを殺した」東野圭吾

東野さんの人気シリーズである、『新参者、加賀恭一郎』のシリーズです。決して悪くはないのですが、おそらく本来は加賀シリーズではなかったのではないかと邪推しています。警視庁の刑事ですから、基本的に東京都内の事件にしか関われないはずが、休暇中とはいえ他県の事件を捜査するというのは、かなりの違和感です。最後の最後までアッと言わせる展開が続き、面白いのですが、そこだけが残念。(6/2)

 

003/118

横浜慕情 御宿かわせみ27」平岩弓枝

幕末に外国に向けて開港された横浜を舞台にした作品がいくつか続きます。犯罪の種類も少しずつ変化してきているようですね。(6/3)

 

004/119

黒いサカナ」保坂祐希

黒いサカナというのはウナギのことで、その産地偽装を巡る小説です。これまた、無鉄砲な若い女性が、危険な状況にも頓着なく突き進み、謎を解くというストーリーなのですが、途中から若干やり過ぎ感が漂います。(6/4) 

 

005/120

今日も町の隅で」小野寺史宜

とある架空の地方都市の片隅で起こっている小さな出来事が、オムニバスで語られます。一つ一つは独立した話なので、つながりはないのですが、頭の中で状況を思い浮かべると、町を俯瞰して眺めながら、要所要所でズームアップしながら見ているようなそんな感覚でした。(6/4)

 

006/121

圏外捜査 特命捜査対策室・椎名真帆」山邑圭

初めて読む作家さんの刑事物ミステリです。未解決となったコールドケースを扱う部署に配属になった主人公が、仲間の援助を得て事件解決に導きます。シリーズにもなっているようですが、もう読まないと思います。(6/4)

 

007/122

渇水」河林満

今から三十数年前の芥川賞候補作になった物語だそうで、数年前映画化もされたそうです。主人公は、料金滞納の家庭を巡って閉栓作業を行う水道局の職員で、映画とは違って、原作では悲劇的な終わり方をします。ちょっときついですね。(6/5)              

 

008/123

おかしな先祖」星新一

懐かしい本を相当久しぶりに読みました。ショートショートというより、ちょい長めの短編集です。「四で割って」、「ほれられた男」という作品は、なぜか強く印象に残っていて、最後のオチまでしっかり記憶していました。 (6/5)

 

009/124

疫病の古代史  天災、人災、そして」本庄総子

8、9世紀の歴史書などから、当時日本を襲った疫病や天災の記録を拾い集め、当時の政府がどのように対応したのかをまとめたものです。どうやら疫病と飢饉というのは、密接な関係があったようで、ひとたび発生すると、両者が交互に襲ってくるという今日のループがあったようです。歴史から学ぶというのは重要ですね。(6/6)

 

010/125

シグナル」山田宗樹

青春SF小説という風に紹介されていました。宇宙のはるか彼方から届く電波にある法則性があり、知的生物の存在が初めて明らかになります。そしてある種の人達には、ある映像を同時に見ることができます。しかしながら、その意味は明らかではなく、その意味を解明するため、世界中の科学者が解読に取り組みます。果たしてその内容とは。(6/6)

 

011/126

心心   -東京の星、上海の月-」石田衣良

声優養成学校に集う6人の同級生。うち一人は中国からの訳アリ女子留学生で、彼女の家庭内のいざこざが仲間だけでなく学校までを巻き込む大事件へと発展します。ご都合主義の塊のような本です。(6/7)

 

012/127

毒をもって僕らは」冬野岬

ポプラ社小説新人賞特別賞 を受賞した作品です。学校で壮絶ないじめを受けている主人公が、病院で余命わずかの少女と知り合います。偶然の出会いに思えた二人でしたが、実は。という物語。とても悲しい本でした。(6/7)

 

013/128

貧乏お嬢さま、空を舞う 英国王妃の事件ファイル3」リース・ボウエン

最近お気に入りのシリーズです。実はこの本だけ、近くの図書館に見つからず、どうしたものかと思案していたら、職場の隣にある府立図書館で他都市の図書館から取り寄せができるということを聞き、宇治市図書館の蔵書を借りることができました。なかなかすごいサービスでうれしいですね。(6/8)

 

014/129

殺人ゲーム」レイチェル・アボット

本国イギリスでは超売れっ子のミステリ作家だそうです。大富豪の青年の結婚パーティーに集まった3名の仲間とそのパートナーたち。その前夜に大富豪の妹が溺死します。その事故が実は殺人ではなかったという疑問を抱いた兄が、一年後にその犯人をあぶりだすために、皆を集めて、その夜の再現を強要します。途中から何となく結末が想像ついてきたのですが、その『動機』が理解不能で、よくできたはずの物語の穴になっているように思われます。(6/11)

 

015/130

時間は存在しない」カルロ・ロヴェッリ

「ループ量子重力理論」という難解な物理学の研究者による化学エッセイで、世界中でベストセラーになりました。もう少し哲学的な本を予想していたのですが、ニュートン力学から一般相対性理論の入り口くらいまでは何とかついていけても、そこから先の量子論や超ひも理論となるとさっぱりお手上げです。いやぁ難しかった。先日読んだ「シグナル」という本に、この本の内容について簡単に触れられていたのですが、残念ながら知識として記憶に残りませんでした。(6/12)

 

016/131

巡査さん、事件ですよ 英国ひつじの村  」リース・ボウエン

最近お気に入りの『貧乏お嬢様シリーズ』の作者による別のシリーズです。作者にとっては、こちらの方が先行するシリーズで、全く毛色の違う作品になっています。舞台は20世紀末のイギリスウェールズ地方の小都市。都会の喧騒を離れて赴任してきた一人の巡査が、平和な田舎町に起こった事件を解決していくというシリーズです。書作の本作では、美しい村の風景と周りのにぎやかな人たちが一通り描かれ、今後の活躍に期待が寄せられます。(6/13)

 

017/132

エムエス 継続捜査ゼミ2」今野敏

警察学校校長を最後に定年退職した元刑事が再就職したのはとある女子大。そこで受け持つのは継続捜査ゼミ。授業の一環として事件の謎を解いてしまう。今作ではゼミの課題として冤罪について研究しようとしていたところで、指導教官自らがあらぬ濡れ衣をかけられ、警察から執拗な取り締まりを受けることになる。巻末の解説にも触れられているのですが、映像化向きの素材だと思うのですが如何でしょうか。(6/13)

 

018/133

COW HOUSE カウハウス」小路幸也

彼らしいハートフルな物語です。主人公をはじめとする主要な登場人物たちはすべて何かしらの屈託を抱えていて、それが彼らに窮屈な生き方を強いているように思われます。周りの人達と関わりながら生きていかなければいけない私たちとしては、仕方のないことかもしれませんが、どこかでそれを解き放つことができればいいなと思います。(6/14)

 

019/134

駅に泊まろう」豊田巧

北海道に実在する駅舎を使った宿泊施設をモティーフにしたお仕事小説です。ブラック居酒屋の店長を退職し、祖父の残したコテージで第二の人生を期待して移住してみれば、とんでもないローカルな場所にある駅舎を再生した不思議なコテージ。新米オーナーとしてのドタバタです。ただ、話を盛るために主人公を極端に描きすぎ。まぁ、面白かったので4巻まであるらしい続編を読んでみます。(6/14)

 

020/135

巡査さんと村おこしの行方 英国ひつじの村」リース・ボウエン

最近一生懸命読んでます。平和な村に再び連続殺人事件が起こります。主人公には何か訳アリの過去があったようで、恋愛に臆病になっているようですが、何か進展があったようです。(6/15)

 

021/136

星落ちて、なお」澤田瞳子

4度目かのノミネートで受賞した著者の記念すべき直木賞作。主人公は明治初頭に亡くなった河鍋暁斎の娘。『画鬼』と呼ばれた天才を父に持ち、同じ画家の道に進んだ娘の苦悩を描く長編物語です。全体的に重い空気が漂っていて、せっかくの受賞作ですが、彼女の代表作とはならないように思います。(6/16)

 

022/137

推し、燃ゆ」宇佐見りん

これは、数年前の芥川賞受賞作で、史上三番目の若さでの受賞と大きな話題になりました。アイドルの推し活をする一人の少女の物語で、ほぼ全編主人公のモノローグで展開されます。『今どき』の女子高生の姿を生き生きと描いていると激賞されているのですが、私にはさっぱり。さすがに年取ったなぁと実感させられました。(6/16)

 

023/138

失われた国家の富 タックス・ヘイブンの経済学」ガブリエル・ズックマン

およそ10年前、著者が27歳のときに書かれた本です。『21世紀の資本』を書いたピケティの教え子に当たるそうで、同作の資料分析にも多大の貢献をしたと記録されています。いわゆるタックス・ヘイブンと呼ばれる場所に秘匿された資産について考察したもので、彼はその額を当時の金額でおよそ5.8兆ユーロとみこんでいます。師匠であるピケティは、拡大する格差を是正するためには、所得への課税ではなく資産への課税が有効と述べていますが、その際に問題になるのが隠し資産です。この本では、その隠し資産をあぶりだし、正当な課税に導くための解決策を提示しています。非常な困難を伴う解決策ではありますが、一考に値すると思います。(6/17)

 

024/139

佐助の牡丹 御宿かわせみ28」平岩弓枝

珍しく凶悪な事件が起きない巻でした。生き別れた兄弟、親子の物語などの人情噺が良い感じです。「あちゃという娘」が良かったですね。(6/17)

 

025/140

DEATH『死』とは何か イェール大学で23年連続の人気講義」シェリー・ケーガン

イェール大学での名物講義を書籍化したものだそうで、後半の半分は、ここ数週間で読んだのですが、実は読み切るまで一年くらいかかっています。昨年の年明け早々に、義母を亡くし、追いかけるように実の父が亡くなりました。どちらも相当にガタがきていて、いつ亡くなってもおかしくない状況が数年続いていました。そして、二人が亡くなって、納骨も済ませたことで、次は自分の順番と思うようになってきました。娘たちはすでに就職もし、ある意味自立していますので、いつ逝っても大丈夫と思いながら、二人に迷惑をかけないよう後処理もしっかりしておかなければならないので、もうあと10年くらいは健康でいたいなと思っています。人は誰も着実に死に近付きながら生きている。(6/21)

 

026/141

カスに向かって撃て!」ジャネット・イヴァノヴィッチ

久しぶりに、どうしようもない本を読んでしまった。後付けを読むと、結構人気のあるシリーズらしくて、文庫のレーベルを変えながらこれが10作目だそうです。保釈逃亡者逮捕請負人という馴染みのない職業に就く主人公が、活躍する物語なのですが、登場人物があまりに非常識すぎて、とてもついていけません。この本の解説をキャスターの安藤優子さんが書いておられ、絶賛されているのですが、私には合いません。今後も読みません。(6/22)

 

027/142

初春弁才船 御宿かわせみせみ29」平岩弓枝

表題作は、上方からの清酒を運ぶ樽廻船の物語。熟練船頭の技と最新の技術の融合、父と息子の愛情物語。人が死なない話は、気持ち良い。(6/23)

 

028/143

帝国妖人伝」伊吹亜門

明治の末から終戦後にかけて、才能に恵まれず悶々と過ごした三流作家が主人公。同時代に活躍した人物を探偵役に見立てた連作短編集。時代、風景の描写が写実的すぎて、主人公の心の痛みまでが強く感じられます。読後感も少し重かったです。(6/23)

 

029/144

なぜ日本は原発を止められないのか?」青木美希

喉元過ぎれば熱さを忘れる。東日本大震災で崩壊した『原子力安全神話』。10年の時を超え、今も続く惨禍を忘れたかのような動きが始まっています。今のうちに止めなきゃ、将来にわたって二度と止めることはできないでしょう。そして今度はさらに悲惨な災禍を招き寄せることに疑いはありません。今が良ければ、次代のことなんかどうでもよい、原子力ムラに棲むそんな奴らが、私たちの国を崩壊へと導く。(6/23)

 

030/145

物語の種」有川ひろ

新型コロナ感染症の影響で世間が縮こまっていた時期に、一般の方々からWeb上で『物語の種』を募り、それを膨らませて小説に仕立てたという短編集です。登場人物やエピソードをうまく関連させてあるおかげで、連作短編集のようになっています。私自身は沼にはまったことがないので、本当に理解することは叶いませんでしたが、宝塚に関する小説は特にとても面白かったです。(6/24)

 

031/146

文系でもよくわかる 世界の仕組みを物理学で知る」松原隆彦

世の中の神羅万象の仕組みを記述するのが物理学の役目だそうで、私のような文系脳の者にもわかるようにと書かれたものです。しかしながら、ニュートン力学から相対性理論までは、ヘトヘトになりながらも何とかついていけましたが、量子力学になるともうお手上げ、降参です。難解。(6/24)

 

032/147

死ぬ前にやっておきたい手続きのすべて」明石久美

これからの終活に備えて、パラパラと読んでみました。これからいろいろと片付けるべき事柄が山積。まずは近いところから片付けようと心に誓いました。とりあえずリストアップと巻末にあったエンディングノートを書いていってみようかなと。(6/26)

 

033/148

世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか」鈴木宣弘

この著者の本は以前にも読んだことがあって、元官僚ということもあって色眼鏡で見ていたのですが、書いてあることは非常に真っ当な指摘ばかりで、我が国の食糧安全保障戦略の欠如について、舌鋒鋭く指摘されています。実際、我が国の食料自給率は公称38%、しかしながら食糧生産に欠かせない種苗、飼料、肥料、燃料の自給率はさらに低く、実質の自給率は10%前後しかないのではないか。さらに日本の通貨である円が急激に弱くなり、海外からの調達も難しくなってきました。農家を継がなかった私が言うのはおかしいかもしれませんが、持続可能な農業を作っていかないと、大変なことが待ち受けていることでしょう。(6/26)

 

034/149

貧乏お嬢さま、吸血鬼の城へ  英国王妃の事件ファイル4」リース・ボウエン

お気に入りシリーズの4作目は、舞台を大陸のルーマニアに移します。学生時代の友人である王女の結婚式に、英国王室を代表して出席することになってしまった主人公が、滞在先で大事件に巻き込まれます。新たなキャラクターも登場して、さらに面白くなってきました。(6/28)

 

035/150

悪い女 暴走弁護士」麻野涼

この方の小説は初めてかもしれません。実父と夫の連続保険金目的殺人に問われた被告人の弁護を依頼された元暴走族の総長の経歴を持つ弁護士が活躍する法廷物のミステリです。途中から結末が読めてしまうのは仕方ないところでしたが、それなりに面白かったです。(6/28)

 

036/151

鴨川貴族邸宅の茶飯事 恋する乙女、先斗町通二条上ル」範乃秋晴

京都の地名が入ったタイトルだったので、どんな本か借りてみたのですが、メイド喫茶ならぬ執事サロンが舞台で、京都である必然性が全く感じられない物語でした。結末まで頭から?マークが去らない本でした。続編も出ていますが、残念ながら全く読もうという気にはなりません。申し訳ないことです。(6/28)

 

037/152

鬼女の花摘み 御宿かわせみ30」平岩弓枝

主人公の子供たちが成長し、活躍する話が増えてきました。いつの時代にも児童虐待というのはあるんですね。悲しいです。(6/29)

 

038/153

貧困パンデミック 寝ている『公助』を叩き起こす」稲葉剛

2020年、世界を襲った新型コロナウイルス感染症によるパンデミック。新たな感性を防ぐため、多人数が集まる施設は軒並みその扉を閉めてしまいました。そのときに発生したのが大量のネットカフェ難民。ネットカフェを住居のようにしていた人たちが、一斉に居場所を失ったのです。彼らを助ける手段は存在しませんでした。そして起こった役所の保健・福祉・医療現場の崩壊。この書籍は、その一大事に行き場を失った人たちの支援に奔走した当事者による記録です。2020年春から翌年夏にかけて発行されたWeb雑誌の記事をまとめたものです。惜しむらくは、その性質上同じ記事が何度も何度も出てくるので、本来なら三分の一程度に纏められたのになぁ、と思ってしまいました。(6/29)

 

039/154

特捜部Q キジ殺し」ユッシ・エーズラ・オールスン

デンマークの人気シリーズの第二弾です。個人的には、ぴったりフィットという感じではないのですが、たまたま借りられたので読みました。この後も続編が9巻まで出版され、うち5作が映画化されています。映画は全く見たことがないのですが、残り7巻は折を見て読もうかなとは思っています。(6/30)

 

040/155

江戸の精霊流し 御宿かわせみ31」平岩弓枝

ついに31巻まできました。久しぶりの事件もの。なさぬ仲の母兄弟を描いた『亥の子まつり』が良かったです。(6/30)

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