今月は土日にかけて出張があったり、帰宅時間が遅かったりと、読書時間を確保するのが大変でした。仕事の参考にと読んだ本は比較的少なく、気分転換のため手にした小説の方が多かった。
そんな中で今月印象に残ったのは「ブッダ最後の旅」でした。以前からブッダについての本を読みたいと思っていたのですが、いきなり手にしたのが“最後の旅”というのはどうなんだろう、一人で勝手な突っ込みを入れています。
世界の三大宗教とは言いながら、信者数はキリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教に比べ段違いに少ないが、全世界的な広がりという点では、三者を凌駕しているのではないかと思っており、日本人の精神文化にも大きな影響を与えていると考えている。
また外国、特に西洋からはそのようにとらえられているのではないか、であるならばその理念を理解することは、私たちのアイデンティティーを理解することにもつながるはずだ。
001/130「赤絵そうめん」山本兼一
時代は幕末、舞台は京都の道具屋“とびきり屋”。シーズ3作目。ほのぼのとして読みやすい小説ではあるが、主の真之介にもちっと成長をさせてほしい。(6/2)
002/131「戦略人事のビジョン」八木洋介、金井壽宏
GEの人事部で活躍された八木氏のリーダーシップ論。実際の経験に基づく話はおもしろく、読み手を飽きさせない。こういう本を読むと、「あいつに読ませてやりたい!!」とつい思ってしまうのだが、それは大いなる間違い。自分こそがその中身を理解し実践することが大事なのである。ましてそんな奴は決してこんな本には手を出さないし、読んだとしても自分のことに置き換えたりしない。変えられるのは、自分と未来。変えられないのは他人と過去。(6/2)
003/132「三毛猫ホームズの推理」赤川次郎
彼の本を読むのは本当に久しぶり。昔は狂ったように読んだものだけど。この本も何年ぶりに読んだろうか。かつて何度も読んだ本なので、しっかり中身も覚えていた。このシリーズも最初の頃はしっかり書かれている。どこら辺から外れてしまったのだろうか。(6/2)
004/133「社長・溝畑宏の天国と地獄 ~大分トリニータの15年」木村元彦
毀誉褒貶にあふれた人物。人間として裸になることと、本当に裸になることは違うだろうと思うのだが。(6/3)
005/134「ブッダ最後の旅」中村元 訳
いきなり最後の旅を読むのはどうかと思ったが、ブッダの最後の様子がとても克明に描かれていて、眼前にその風景が見えるようだ。非常におもしろい。(6/6)
006/135「失踪者」折原一
途中から頭がこんがらがってしまうような、不思議なストーリー仕立て。あまりに複雑にしすぎて、上手く追い切れない感じ(6/6)
007/136「鉄の骨」池井戸潤
土木工事を巡る談合に関する小説。談合は必要悪なのか。絶対悪とも言い切れないような実態が描き出される。もちろんフィクションであり実像とはかけ離れている物と思われるが、どうなんだろうか。(6/9)
008/137「愛情物語」赤川次郎
およそ30年ぶりに読む。どんな話だったのか、細かいところはほとんど憶えていなかった。角川映画の全盛期、原田知世主演で映画化され、見に行った記憶もあるが、こちらも内容はほとんど思い出せない。今回改めて読んでみたが、古くささはそれほど感じなかった。最後のエピローグだけはしっかりと憶えていて、ここを読むだけでもホロリとくるいい話なのである。(6/14)
009/138「あんじゅう」宮部みゆき
人の心の闇に巣くう様々な怪を上手く物語に仕立て上げている。この手の話を書かせると右に並ぶ者が無い。さて、ここに出てくる“あんじゅう”という物の怪は彼女の創作なのだろうか、それとも元々あるものなのか、若干気になるところ。いずれにせよ、この百物語はいつまで続けられるのか、できれば残りの90話を終えるまで続けてほしい。(6/16)
010/139「三毛猫ホームズの追跡」赤川次郎
どんな結末だったかほとんど覚えていなかったが、途中までの丁寧なストーリー展開に比べ、最期の謎解きのプロセスに至っては、あまりに拍子抜け。ちょいと底は雑に描きすぎたのでは無かろうか。(6/19)
久しぶりの超大作に挑んだのだ。時はおよそ千年後の未来。世界絶滅戦争を生き残った超能力者が支配する世界。失敗を繰り返さないために、生まれ来る子供たちを教育し、異端児を排除するシステム。そして繰り返され生きるための戦争。勝ち残った方が正義となって、歴史を刻むことを許される。そして破れた側の理は抹殺される。(6/24)
012/141「絶望しそうになったら道元を読め!」山田史生
道元の大著“正法眼蔵”の第一章“現成公案”だけを徹底的に読み解く。しかしながら、世にも難解と言われたこの著書のさらに神髄をなすこの一章だけに、読み解くことはあまりに難しい。結局のところを全てを理解することは能わず。(6/24)
013/142「それでも、小売業は中国市場で稼ぎなさい」西河 豊
中小企業の中国進出に向けてとてもわかりやすく書かれたノウハウ本。まずは第一歩を踏み出さなければ。(6/29)
014/143「ナニワ・モンスター」海堂 尊
相変わらずのスピード感。ライフワークとなっている死亡時画像診断をはじめとする医療改革が国家改革につながるとは、かなり荒唐無稽な設定である。(6/30)
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