2018年4月12日木曜日

2018年3月


3月は、わずか7冊。うち小説は5冊、その他が2冊という結果でした。
先月の充実ぶりと比べ、3月も低調な結果となりました。
決して体調が悪かったわけではなく、読んでいた本が、それほど興味をかき立てるような内容でなかったので、読み終わるまで時間を要したことが大きかったことによります。
ということで、今回は是非ともお薦めしたいと言えるような本がございませんでした。残念なことです。


001/030
先月とは変わって、ゆっくりとしたスタートになった3月です。大衆迎合主義とも言われるポピュリズムですが、なんとなく政治的に成熟していない国で起こりうる物という印象を持っていたところ、一昨年イギリス、アメリカという両大国で、ショッキングとも言える出来事があった。この本に書かれているとおり、かつては国内の政治的エリートに対する抑圧された不満分子に意思を集合させていたものが、昨今は国内にとどまらず、国外へ、特に反イスラムという色彩を強く帯びて拡がっている。行き着く先はどこなのか。空恐ろしい。(3/7)

002/031
彼女の小説を少しずつ読んでいます。会社勤めの亭主が、ある日鬱病になって会社を辞め、生まれ故郷に転居するところから物語が始まる。その後、2年ごとの主人公である妻の心の中が物語として綴られ、徐々に何かに追い詰められながら、最後は10年後の姿が描かれる。正直、ちょっと冗長に感じられ、タイトルから受け取った期待感は、残念ながら肩すかしでした。(3/12)

003/032
東日本大震災の直前に出版されたオリジナルに、その後の知見を加え増補版として出版された物。ベテランの学者さんでもあり、豊富な知識と経験を基に書かれた物と思うのだが、残念ながら、次の二点においてイマイチな印象を受けた。まず、既存の文章に、書き足した物だが、全体に溶け込んでおらず、まさに付け足された物になっていること。そしてもう一点は、若干我田引水、自己陶酔の気が見えてしまうこと。せっかくの内容も、自慢話とセットで語られると、引いてしまう。(3/16)

004/033
キラキラ共和国」小川糸
ツバキ文具店の続編で、主人公の代書屋兼文具店主が結婚してからのことが描かれている。前作同様、ほのぼのとした内容で、鎌倉の街の様子が目に浮かんでくるような描写もほっこりする。今作では、家を出て行ったはずの主人公の母親(?)が登場し、今後も物語が続いていくような終わり方。ただ、前作の方が面白かったかな。(3/18)

005/034
人形の部屋」門井慶喜
旅行会社を辞め、専業主夫となった父親を主人公とするライトミステリ。直木賞を獲得した著者の第二作目だそう。一般民間人でありながら、豊富な知識で謎を解く、なかなか魅力的な主人公である。今のところ、彼の小説には外れが少ないので、また次の1冊を読んでみたいと思います。(3/21)

006/035
逃亡刑事」中山七里
かなり荒唐無稽な設定で無理があり、読みながらも突っ込みどころ満載で、この作者らしくない小説でした。何でこんな小説書いちゃったのだろう。不思議。すみません、感想もこんな感じです。(3/25)

007/036
首都崩壊」高嶋哲夫
地震などのパニック小説の専門家という印象の著者なのだが、この作品は、地震は一つのきっかけではあるのだが、それを超えて首都移転を大きなテーマとしたある種の政治小説となっている。ただ、あまりにあり得ないだろうという設定で、若干鼻白む感じ。もう少し丁寧さがあっても良いんじゃなかろうか。(3/31)

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