2018年2月11日日曜日

2018年1月

2018年の年初は、記録的な低調。
わずか5冊で、うち小説が1冊、その他が4冊という内訳でした。

それというのも、すでにあちらこちらで言い訳しているとおり、昨年末から激しい腰痛に見舞われ、これまでのように仰向けに寝っ転がって本を読むと言うことができなくなったことによります。また、痛みがあると本に集中することができず、本を読みたいとも思わなくなってしまいました。最近ようやく横臥しながら本を読むことができるようになり、少しずつ読書量が復活していますので、次回は、もう少しましな感想文になると思いますので、お許しください。

ということで、1月を振り返るのですが、5冊しかないので、どれかを選ぶのは難しいのですが、あえて選ぶなら次の2冊です。

まず宮辻薬東宮は、これまで読んだアンソロジーの中で一番と言っても良い出来だと思います。これはスタートを飾った宮部さんの力量に負うところが大きいと思うのですが、それにしても皆さん上手く書き繋いでいます。当代一流の作家の短編が、一気の読めるという意味でもお得な一冊だと思います。

さらに金・銀・銅の日本史は、かなり前の出版で、昔買ったままにしてあった物を著者の方とお話する機会があったことがあって、引っ張り出して読みました。歴史の本なのですが、工学が専門で、人類が如何に金銀銅という金属を活用してきたかという点に絞って書かれています。とても分かりやすく書かれていて、この本に紹介されている遺跡などにも是非足を運んでみたいと思わせてくれます。面白かったですよ。

このように最悪のスタートを切った2018年ですが、今後は少しずつでも以前の調子に戻れるようにしたいと思っています。

001/001
フィンテック」柏木亮二
何度も言い訳しますが、年末年始からの腰痛が影響し、全く本を読む気になれず、昨年末から往復の電車内でちびちび読み続けていた物をようやく読み切って、今年の一冊目となりました。この後もスピードは極端に落ちるものと思われます。内容的には、私のような初心者にもとても分かりやすく書かれており、絶好の入門書となっています。よく知られているように、日本の金融業界はがんじがらめの規制に守られていて、海外の金融サービスが展開しづらい状況になっています。しかしながら、欧米のような先進国だけでなく、却ってインフラが整備されていない発展途上国においても、ITを活用した金融サービスが燎原の火のように拡がっています。このままでは、日本の金融業界は立ちゆかなくなってしまうのではないか。(1/11)

002/002
とても良い本です。愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶとはよく言われますが、日本国民ほど歴史に学ばない国民は珍しいのではないか。一つには、かつて日本には正確に記録された歴史書が存在しなかったことにも理由があるのではないだろうか。客観的な事実が分からなければ、自分が感じたこと、考えたこと、つまりは自ら経験したことしか記録としてないわけで、自分にとって都合の良いことしか残っていない。それじゃぁ進歩ってないよね。(1/18)

003/003
私たちにとって、最もなじみ深い(?)貴金属である金銀銅が、日本の歴史上、どのように利用されてきたのかを、科学の目を通して明らかにしたもの。これらの金属は、先進地域である大陸から、製品として日本に入ってきて、その後国内での発見、開発へと繋がっていく。かつて黄金の国と言われたように、世界の金の生産量の多くを日本国内で生産していた時期もあったようである。これら金属の生産技術も進歩していったものの、江戸時代に海外との通商を制限したことによって、世界的な技術の進歩から立ち後れた時期もあったようである。とても面白い一冊でした。(1/26)

004/004
ここ数年海外輸出で名をあげた獺祭の蔵元経営者による記録。先代から会社を引き継いだときは、慢性的な赤字経営で、、ほぼ潰れかけの状態から奇跡とも言える復活を遂げる。その経営手法は、端的に言うと選択と集中絶対品質ともいえる。小さな蔵元であることから、ラインナップを拡げることができず、いわゆる吟醸酒に絞り込みをしていったこと、さらには安定的によりよい品質で消費者に届けるため通年醸造に踏み切ったことなどなど、かなり思い切った舵取りをされている。これまでは、若干情緒的に疑念を持っていたのであるが、この本を読んで考えが変わりました。是非呑んでみたいです。(1/27)

005/005
宮辻薬東宮」宮部みゆき、辻村深月、薬丸缶、東山彰良、宮内悠介
今を代表する人気作家5名によるアンソロジー。この手の本はテーマがはっきりしていなくて、???となるものが多いのであるが、今作については大満足の作品集でした。宮部さんの作品はもちろん面白かったのですが、ホラーと言うよりとても怖いお話でした。あとは辻村さんのお話もとても面白かったです。これまで読んだことがなかったのですが、今度読んでみようと思います。(1/28)


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