9月は事情があって、あまりに忙しく、読書の時間を全く取ることができませんでした。毎日の隙間時間をかき集めて読むことができたのは、次の6冊でした。
小説が5冊ありますが、その中では宮部みゆきの“荒神”がダントツのおもしろさ。彼女の書く時代物は本当に面白い。
10月の中旬になって、ようやく読書時間を確保できるめどがついてきました。また以前のようにとはいかないかもしれませんが、また面白い本に巡り会えたら良いな。
001/116
「マスカレード・イブ」東野圭吾
今回も同じく文庫化された“マスカレード・ホテル”の2名の登場人物の、“その前”を描いた短編小説集。“その後”を描いたモノは結構あるけれど、“その前”はなかなか珍しい試み。小説としても良い感じに仕上がっている。(9/5)
002/117
“むかしこんなことを行った人があってね”、というような文脈で語られる言葉の数々を集めたもの。著者なりの解説が面白い。(9/11)
003/118
「百枚の定家」梓澤要
小倉百人一首の選者である藤原定家の直筆による色紙を巡るミステリ。ミステリの謎としてはそれほど複雑なモノではないが、扱う題材があまりに専門的であるため、そちらを巡る謎解きに力点が置かれている。高木彬光の“邪馬台国の謎”を思い出してしまった。(9/14)
004/119
「荒神」宮部みゆき
朝日新聞に連載されていた頃は、全く読んでいなかったので、今回単行本化されたのは嬉しい限り。待っていました。新聞連載の楽しみは、何と言っても毎回描かれている挿絵で、単行本化されてしまうとそれが楽しめないのは残念。ただ、今回はその挿絵編も別に単行本化されているようで、それも面白いかも。(9/21)
005/120
「万能鑑定士Qの事件簿Ⅳ」松岡圭祐
いつもの作品。(9/28)
006/121
「けさくしゃ」畠中恵
江戸時代にいわば命がけで書物を出版し続けた者達を描く江戸時代“出版業界もの”。魅力的な登場人物のおかげで軽妙に物語は進む。この作者の作品については、結構当たり外れの差が大きいように思うのですが、この作品は当たりのようです。物語の舞台となった江戸時代と違い表現の自由が保障されているはずの現代ではあるが、見えない圧力は未だあるような気がするのは私だけだろうか。(9/30)