「読書」に「旅行」。これらは無趣味の言い訳と古くから言われてきました。この二つに共通するのは「未知との出会い」です。これまで知らなかったものと出会うことは、どんな人にとっても心ふるわせられるもので、それを取り立てて趣味と呼ぶのはおこがましい、ということで、このように言われたのではないでしょうか。 恥ずかしながら、私の趣味はこの二つで、まさに「未知との遭遇」を心から楽しみにしています。 その感激(?)を少しでも表現できれば幸いです。 なお、ここで書いていることは、あくまで私の主観です。感想を書いたその瞬間の気分にも大いに左右されていますので、あしからずご了承下さい。
2010年2月4日木曜日
2010年1月
著者にとっては、最晩年の作品。孔子とともに旅をした弟子によるモノローグ。ところどころに独自の解釈も見える。孔子という人物には謎が多い。教団を率いての10数年にも渉る放浪の旅、貧しくて食べるものにも事欠く始末。そのたびの目的動機が見えない。その動機を井上流に推理する。
予想以上のおもしろさ、世の中には漢字本があふれているが間違いなく最高峰の一冊。外来文字である漢字が如何に日本に導入されてきたか、はたまたどのような歴史を経てきたか、とても詳しく書かれている。改めて日本語について考える良いきっかけとなる。
誰もが等しく感じている、今の閉塞感の招待はいったい何なんだろう。これを打ち破れる政治家は現れないのか。皆が等しくだまされているのか。誰かの働きを待つのではなく、我々自らが発想を変えることが必要、ためることばかりでなく、上手く使うすべを考えないと。
承認理論のオーソリティーによる近著。私には、承認欲求、自己実現欲求のその上に利他欲求というものがあると思うのだが、彼によると利他の心も、相手方からの承認を得ることが真の目的になっていると言う。その部分では異議あり。
鳩山内閣の外交ブレーンの一人。のっけから我々が世界を見るときの偏りを指摘され、心にぐさりとナイフを突き立てられたよう。日米安保の評価も全く違う。中国・韓国によるビンのフタ説は初耳、確かに頷ける。
池田氏独特の「死」についての考え方とらえ方が何編も集められたものであるが、内容はすべて同じ。彼女がずっと考え続けた「死」。死というものは存在しない。では死とはいったいなんぞや。生きて入る人間には絶対に分かるはずのないもの。彼女はそれを見つけたろうか。
個人がシステムの一つの歯車・部品になった社会、すべてが監視される社会。近い将来やってきそうなそんな社会がユーモラスに描かれている。とはいえテーマは重く、すかっとした解は描かれていない。
コミュニケーションを円滑に進めるためのテクニックものかと思いきや、著者自身が鬱病で現在も治療中であること、さらにはその視点から見たコミュニケーションのあり方についての所論など、非常に興味深く参考になる。
希代の知識人による対談、時折参考になる話はあるのだが、歴史認識のあたりになると突然に内容が非論理的、感情的になってくる。もう少し丁寧に話してくれれば、しっかりと読もうという気になるのだが。
戦国末期の宣教師による日欧文化比較論。当時の日本の風習風俗を伝える貴重な文献。ところが読んでびっくり、当時の日本の風習はほとんど現代の日本には伝わらず、ヨーロッパ文化が幅を利かせている。どこかおかしくないか。
不幸の原因と幸福をもたらすものについて、丁寧にその考えを述べている。世の中の働く女性のために書かれた(としか思えない)「家庭」の章は読み応えあり。
まさかこんな本を読んでいるときに、あんな訃報を聞くことになるとは、妙な符号に背筋が凍る。いくらありがたいお経であっても、肉親を亡くしたばかりの身にはうつろに響く、いつか執着を離れ平らかな心持ちになれるときはくるのだろうか。
本を読みすぎると自分で考える力を失っていくそうである。そしてまたドイツ語の文法が破壊され、奇妙な単語や言い回しの反乱に警鐘を鳴らす。今年は没後150年。
平尾誠二という人を再評価した。高校・大学・社会人のすべての段階で日本一になった人間というのはそれほど多くない。そしてそのすべてでリーダーであった人は彼だけだろう。その経験から得られたものは大きく我々には想像もつかない。その経験がコーチとして凄みを出す。
伝統的に貴族というものが存在する先進国としては珍しい国、
イギリス。構造的に、格差が生まれることは仕方がないのだろうか。財産を持つものが力を得て、さらにその力を継承していく。かくして富者は富者として、貧者は貧者として拡大再生産されていく。やがて日本も。
推理小説風の作品集。意外性には乏しいが良くできたお話。
確かにこの本を読むと大丈夫なのかも、という気にさせられるが、でもどうなのだろう。本当に未来のことや、子供達、後の世代のことを考えたら自重することが大事なのではないか。
タイトルがうさんくさげで、買わずに借りて読んでみたが、内容的には買って損はない内容。最初は単なる営業のノウハウ書かと思ったが、人生の指南書としても意外にいける。
この人の本は読む度に心にぐさりと突き刺さるようで恐ろしい。読む度に気付きが得られる。重荷と感じること、いやなこと、いとわしい人間関係、それらはすべて自らが招いたもの。そのしがらみを断ち切るのは本当に難しい。ましてや大事なものを人質に取られているときには。
もう少し面白いかなと期待して読んだのだけれど。。
財務省の官僚が書いた物と高をくくっていたが、意外と面白かった。日本の貧困の状況が丹念に書かれており好感が持てる。またわかりやすい。ただ、後半でその解決策として一気に日本流のマイクロファイナンス実現まで持って行ったのは少々強引かと思う。官僚の我田引水。
三部作の仕上げはあまりに重い。読んでも心晴れず、何か大きな塊を飲み込んだような気がする。
「ゴール」「ゴール2」と違い、「人」を題材にしており、全く違った印象を与える。「すべてのものはとてもシンプル。」本当にそうなんだろうかと疑問に思ってはいけないのだろうか。
運命というものは変えられるものか、切り開けるものか。振り返ったときそこに軌跡のように見えるもの。それが運命か。目の前に広がるのは可能性だけ。選択するのは意思の業。しかしながら過去の延長に未来があり、選択幅が限られることも多い。それは運命か。
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