2010年1月2日土曜日

2009年12月


丹波亀岡じゃないよ、当時は亀山


高校時代に狂ったように読んだ星新一。文庫改訂の度にあれほど手を入れていたとは知らなかった。さて、娘達の世代で読んでいる者はいかほどいるのやら。


徳川幕府の外交をキーにする歴史小説。ただ、ちょっと違っているのは、三代家光が鎖国をせずに全面開国に踏み切ったところ。歴史に禁物の「たら、れば」大胆に無視した作品。


さっぱりわからん。この対話編の主題は何か。おもしろさが理解できない。


大胆な発想、詳細な描写、いつもながら面白い。


「裏日本」という言葉・単語を目に耳にしなくなってどれほど経つだろう。裏日本の生活を離れた身としては胸にいたいことであるが、明治以降の政策の果てが現在の状況を招来している。我が身に何ほどのことができるやら。


中国の古典「小学」を題材に、身の処し方について説く。残念ながら簡単に手に入る「小学」は見あたらない。一度じっくりと読んでみたいものである。


「テツ」のための本であるはずが、「テツ」が自己満足するための本になっている。臨場感が伝わってこない。


著者の尊敬する小林秀雄の名著になぞらえて書かれた物。「言葉」から「言葉」へ当然のように流れるように飛び跳ねていくのだが、うまくついて行けないと取り残されてしまう。そんな気分。




議論で重要なことは勝ってしまわないこと、とはいえ完敗してしまったら元も子もない。さてそれでは議論に勝つとはどういうことか。同じく負けるとは。要は目的さえ達せられればどっちでもよいことなのでは。


儒教は宗教であるという当たり前のところから出発する。さらに原始儒教は日本に正確に伝えられなかったとも。まさにその通り。儒教はあまりに誤って理解されている。


彼が,こんなに面白い話を書いていたとは知らなかった。「1984」だけではなかったのだと。読み始めからお終いまで一気に読んでしまう。動物たちになぞらえて、恐怖の時代が表される。




ジェラシーは最大のエネルギーとも言う。プラスに向かえばこの上ないが、マイナスに向かうと目も当てられぬ。著者によると、他者のそれはすべてマイナスに作用するとか。


いすれも少し悲しい物語。ストレートではない少しひねった悲しさ。


まるで歴史の参考書。日本史を彩る人物が歌人としても活躍する。


中国南北朝時代の悲劇の王の物語。舞楽の題材としても有名。わずかな資料から物語を編むのは難しい。それにしてもこの主人公、格好良すぎじゃないかい。


出版当初から気になっていた本。確かに江戸時代までの日本の庶民文化は世界最高峰だったろう。しかし今のサブカルチャーブームは怪しい。それほど評価はしていないのだけれど。


あまり面白くない。単なる歴史書という感じ。


入ってることは間違いではないのだろうけど、そのままに信じて良いものかどうかは疑わしい。少なくとも今の日本のありように対する危惧については共感を覚える。


「自分はツイてる」「今日もイケてる」「皆さんのおかげです」「ありがとうございます」ひとつひとつは簡単なこと、そしてとても大切なこと。


何となく信じ込んでしまっている常識を検証する本。ただ過去の事象からその要因を推定することは容易だが、その原因を今種をまいたからといって、必ずしもその結果を導き出せるとは限らない。だからこそ難しく面白い。


メンタルヘルスの初級テキスト。今はまだそれほど必要性を感じないけれど、いつかは必要となる知識。むしろ自分が折れてしまわないようにするためにはどうすればよいかということのほうが大切かも。いずれにせよこういう人たちは確かに増えている。


ある種ハチャメチャ幕末史なのだが、テレビドラマにしたら面白そう。史実と違うといって怒る人がいるだろうか。


最近身近にある草花が気になって仕方がない。この本は、誰もが知っている(つもりの)草花についてわかりやすく書かれた素人向けの入門書。大きい小さいにかかわらず、どんな生物も理由と目的を持って生きて入る。そしてその目的を達成するために驚くような工夫を凝らしている。


第4回このミステリーがすごい大賞。確かにすごい、噂どおりのおもしろさ。登場人物が非常に魅力的。本業は医者だとか、何故理系の作家の推理小説は面白いのか。


前作同様面白い。続きを読みたくなる。


京都大学教授、あまり期待していなかったところ意外に面白い。思想的にはチョットと思うところもあるけれど「考え方」という面からいうと頷ける話ばかり。「自分とは何か」「直感を大切に」「行動しながら考える」「良き異端を目指す」「世と人は元来うまくいかないもの」etc.


一大ブームを巻き起こした「フェルミニ推定」の解説。「結論から」「全体から」「単純に」考える→「仮説思考力」「フレームワーク思考力」「抽象化思考力」。そしてそれらを支える「論理的思考力」「直感力」「知的好奇心」。はてさて、これらは訓練することができるのだろうか。


プロの技術を体得しようというのはとても無理。それはとても高度な技術。しかしながら、その心構えを多少なりとも理解しているのといないのでは大きな違い。周りの人と調和しながら働くためには欠かせない。


私たちにとっては至極当たり前のルール。男女の差別は無くなったとはいえ、働く上での女性のハンディキャップは大きい。本人の努力だけでは越えられない壁。その壁をなくすのは我々の役目。


言い回しの言葉は易しいけれど理解するのは難しい。理解しようとするのが間違いなのか。まさに只管打坐。ひたすらに生きるのみ、理解しようとするのではない、悟りを得ようとするのでもない。


もう一度しっかりとこのノートを使い込んでみようと思う。毎日の思いをきっちりと書き込もう。やりたいこと夢はたくさんあるけれど、どん欲にすべての夢を実現させよう。逃げない、あきらめない。


ヴィゲントシュタインの論理哲学論考を読む前に参考になればと思い読んだもの。難しいことが平易な言葉で書いてあるのだが、「言語ゲーム」という概念がつかみきれない。「人のふるまい」「一次ルール」「二次ルール」、ほんの少し先にあるような気がするのだけれど、届かない。


日本経済への助言が一章。氏の言うインフレ政策には納得できる。誰か勇気を持って踏み切れる政治家はいないのだろうか。


痛快。少し決まり悪げであるが、言葉を扱う作家らしく国語教育の問題点を指摘する。確かに国語の最も大切な役割は意思を伝えることだと思う。コミュニケーションの責任は伝える側にある。そのためにもわかりやすい日本語が大事。


いろいろな小手先のテクニックを詰め込んだ本。「上司」としては如何に「部下」のモチベーションを高めるかということに全精力を注ぐ必要がある。そのためには「対話」を。それも自分を殺した対話ではなく、自分を活かした対話を。


考えることを止めてはいけない。考えることを忘れてはいけない。考えることをあきらめてはいけない。考えるとは人であると言うこと。人であり続けるためには考え続けなければいけない。


歴史に「もし」があったら、歴史上の出来事を題材にした小説。今月はこの手の本を何冊か続けて読んだが、実際のところ歴史上の出来事というのははっきりしない。本当の龍馬はいったい何を考えていたのだろうか。そういう世界は面白い。


英国の医療制度についての非常に詳しいレポート。著者は厚生労働省の官僚とコンサルタント。世の中に完全な制度というのは存在しないといわれるが、それにしても理想に近い制度。それがまた時代とともに改革を重ねているというのが素晴らしい。


レバレッジを利かせて少ない労力で成果を上げるということは、決して楽をするということではない。効率的に労力をかけるということ。しかしながら、経験を重ねないと効果を生むかどうかなんてわからないのでは、効率だけが基準ではないような。


行動経済学に関するとてもわかりやすい入門書。誰の推薦だったのか記憶にないのが残念。参考書籍一覧も充実しており、それを手がかりに読んでいくのも楽しいだろう。


何故そんなに売れたのかしら。この手の本の常として書かれていることは当たり前のことばかり。実行できたら苦労せんちゅうねん。


変えられるのは自分だけ、自分が変われば相手も変わるというのはちょいと違うような気がする。世の中の人生訓では「自分が変われば周りの世界も変化する」と説くばかり。この本も然り。正しくは自分のとらえ方が変わるだけではないか。それを許せる人と許せない人がいる。成長できるのはどちらか。


HBRの論文を集めたもの。読みやすい筆者と相でない筆者との差が大きく若干読みづらい。単発なら良いのだけれど同じテーマとなるとつらい。中では、後正武氏の「孫子の戦略学」は参考になる。「孫子」は戦略書としてだけではなく「生き方の指南書」としても再評価できるのではないか。


山本七平以来の「空気論」の名著。日本独特の「空気」をつくるのは「日本語の特性」であるとする。「言葉」は重要、「空気」を一気に変えてしまう。


2009年最後の一冊になったのはこの本。2009年の年頭に彼の言葉を引用した総理大臣はその座を追われた。ところで、この定義集。何故は「幸福」は未定義である。さて、彼はなんと定義づけるつもりだったのか。

2009年は計394冊でした。