2026年2月9日月曜日

2026年1月

2026年最初の月は、小説が7冊、それ以外の書籍が11冊で、計18冊という結果になりました。

立ち上がりとしてはまずますかなと思いますが、小説が少なめです。そんな中でのお薦めの小説を御紹介します。

まずは今年の一冊目の『どら蔵』です。こちらは、個人的に推している朝井さんの小説で、今作は江戸時代の道具屋の物語です。生き生きとした主人公の描き方に引き込まれ、次のページをめくる手が止まりません。ある意味江戸時代の痛快お仕事小説といった趣ですがとても面白かったです。

そして二冊目は子供のころ絵本で読んだ『ガリバー旅行記』です。いまさらと笑われそうですが、数年前に購入したきり何度も読もうとして読めずに放ってありました。今年に入って改めて読んでみたところ、とんでもなく面白かったです。翻訳もよかったせいかもしれませんが、読みづらい箇所はほとんどなく、最後まで面白く読めました。改めて、著者の世界観には脱帽です。もしまだ完読したことがないという方がおられましたら、ぜひともお薦めです。

というところで小説以外の書籍からのお薦めですが、今月も結構豊作で、絞るのが難しいのですが、心を鬼にして次の三冊をお薦めします。

まず『デザインマネジメント論のビジョン』ですが、こちらは20年ほど前に伝統産業の担当をしていたころにお世話になった大学の先生が著者に名を連ねておらる本ということで、とても興味を持って読んだところ、とてもためになる内容で、マネジメントとして働く方たちにこそ読んでほしい本だなと思いました。めちゃ面白いですお薦めです。

二冊目は『少数派の横暴』です。アメリカの政界を舞台に述べられているので、我が国に置き換えることは難しいですが、彼の国で何が起こっているのかを知るうえでとても有用です。アメリカで起こっていることは遠からず我が国に波及することを考えると、いつかそのうちと思ってしまいます。お薦めです。

三冊目は『肥満の科学』でして、わが身の健康のことを考えつつ読んだのですが、納得させられる内容でした。書かれているとおりの生活を送ることは難しいかなとは思いますが、リスクを理解していることが重要だと思います。同じお悩みをお持ちの皆様にもお薦めです。

二月に入り急激な変化に翻弄されながらこの文章を書いています。

先日の総選挙では、ほとんどの政党が消費税減税を公約に挙げるという異常事態で、投票に値する候補者が見当たりませんでした。(投票には行きましたよ、もちろん!)

子供たちの未来、地球の未来を本気で考えている候補者も、残念ながら見当たりませんでした。

今の自分が未来に残せることは何か。そんな知恵と知識をつけたくて、これからも読書に励みます。

 

001/001

どら蔵」朝井まかて

2026年の一冊目は、昨年末から読み始めたこの本でした。この方の時代小説は面白くて、いつも楽しみにしています。今作は、江戸時代の道具屋が主人公。上方でしくじって江戸に下り、ようやく商売を軌道に乗せ始めたところで、実家が大変なことに。史実も交えつつの物語は、期待どおり面白かったです。(1/2)

 

002/002

ミルク殺人と憂鬱な夏 中年警部クルフティンガー」フォルカー・クルプフル/ミハイル・コブル

主人公は、ドイツ・バイエルン州の田舎町の中年警部。地元の乳製品製造会社の重役が殺されます。まさかこんな町で殺人事件が起きるとは、というお話なのですが、中途半端にドタバタが入っていて、振り切れていない感じ。原書では7~8冊のシリーズが出ているようですが、邦訳は2作のみ。まぁ、そんな感じなんでしょうね。(1/7)

 

003/003

日本史を支えてきた和紙の話」朽見行雄

著者は元ジャーナリストということで、わかりやすい語り口ですが、それに反比例して内容的にはやや不満足。ただ、安土桃山時代に発明された「紙蝶番」の果たした貢献については、愁眉を開かされた。偉大なる発明です。(1/7)

 

004/004

超AI入門 ディープラーニングはどこまで進化するのか」松尾豊/NHK『人間ってナンだ?超 AI入門 』制作班

AIの第一人者である松尾さん関連の著書ですが、奥付をみると7年前の出版ということで、内容的には一時代前の状況を反映しているような印象。まさかAIが、人類にこれほどの分断をもたらす方向へ進化していくとは考えられていなかったように思います。(1/8)

 

005/005

デザインマネジメント論のビジョンーデザインマネジメント論をより深く学びたい人のために」佐藤典司、八重樫文、後藤智、安藤拓生

府庁での現役時代に、大変お世話になった先生が著者グループにおられるということで、読んでみたのですが、とにかく面白くためになった。途中からメモを取り出したのですが、そのメモも最終的には8ページにも及ぶ結果となり、とてもこの短い行数で語りつくすことはできません。組織になかで何かしらの問題を抱えており、何とかその組織を改善しなければいけないと考えておられる諸氏にはお薦めの一冊です。(1/8)

 

006/006

恋のスケッチはヴェネツィアで 」リース・ボウエン

ここ一、二年ハマっている作家さんで、シリーズものではない作品は初めて見たので借りてみました。内容的にはミステリ要素は少なく、大叔母と姪孫の世代を超えた物語。第二次大戦直前にベネチアで激動の時期を過ごした大叔母から遺贈されたを21世紀初頭9・11の惨劇で息子と切り離されてしまった姪孫がベネチアを訪れ、その鍵の解き明かしていく長大な物語です。こんな小説も書くんだなと再評価しました。(1/12)

 

007/007

戦争の記憶  コロンビア大学特別講義-学生との対話-」キャロル・グラック

著者は、日本の近現代史を専門とするコロンビア大学歴史学教授なのですが、どこで氏の名前を見たのか記憶が定かではないのですが、日本の近現代史を専門に研究されている海外の専門化ということで、とても興味を持ちました。その最初の一冊ということで、手軽な親書を読んだのですが、内容は大学でのゼミの風景を記録したもので、『歴史と記憶』について、『戦争の記憶』『慰安婦の記憶』といったテーマを手掛かりにした学生たちとの対話が収められています。日本人の第二次世界大戦についての記憶は、真珠湾に始まりヒロシマで終わっており、その前の大陸での戦争がすっかり記憶から消えている。という指摘がありました。私たちが加害者であった記憶が消されているんですね。怖いことです。(1/15)

 

008/008

風俗学 路上の思考」多田道太郎

奥付を見ると1978年初版となっていますから、およそ半世紀前の書籍です。最近読んだ本で紹介されていたので、図書館で探して借りてきました。これが、なかなか面白い。当時、京都大学の教授であった著者などが中心となって結成された『現代風俗研究会』での活動の一環として書かれた文章をまとめられたものです。『風俗』と聞くと、何やら猥褻な響きがありますが、この研究会は全く違い、まじめに『風俗』について研究する団体のようです。興味を持ったので、入会案内を請求してみたのですが、どうなりましょうか。特に気に入ったフレーズをいくつか。『fad⇒fashion⇒style;流行風俗習俗』『この社会には4つの性がある。男が見る男、女が見る男、男が見る女、女が見る女』(1/16)

 

009/009

エリカ 女性秘匿捜査官・原麻希」吉川英梨

シリーズの4作目です。ずっと追っていたテロ首謀者の死体が発見されるという衝撃的な事件をめぐる物語です。例によって、警察組織がことさら無能に描かれていて、若干むず痒い。(1/17)

 

010/010

スティグリッツ教授のこれから始まる「新しい世界経済」の教科書」ジョセフ・E.スティグリッツ

かつて自由主義、グローバル主義に疑問を呈し、ノーベル経済学賞を受賞された学者さんということで、一度その著書を読みたいと思っていたのですが、いずれもとんでもない大著ばかりなので、比較的読みやすそうな本を選んで読んでみました。行き過ぎた資本主義とグローバリズムが格差社会、分断社会を生み出しているところまでは納得できるのですが、それを是正する手段として、あまりに空想的なことを述べられていて、やや鼻白む感じ。まぁ、常識的な解決手段はないとは思うのですがね。(1/18)

 

011/011

ガリヴァー旅行記」スウィフト

今年の目標として、月に一冊は手持ちの岩波文庫または古典文学を読もう!という目標に沿い、まず手始めに読んだ一冊です。子供のころに読んだガリバー旅行記は、小人の国リリパット王国への旅があまりにも有名ですが、それ以外に、巨人の国、空飛ぶ島(有名な『ラピュタ』ですね)、馬の国へたどり着き、それらの国について克明な記録を残すという体の物語です。皆さんも読まれたことがおありかと思うのですが、これがまたとても面白い!翻訳もお上手なんだと思いますが、読みやすくてほぼ一気に読めました。こんな面白い本だったとは知りませんでいた。(1/18)

 

012/012

少数派の横暴 民主主義はいかにして奪われるか」スティーブン・レビツキー/ダニエル・ジブラット

2020年のアメリカ大統領選挙で敗れたトランプ大統領が、支持者を焚きつけて、翌年の新大統領就任式が行われる議事堂を襲うという米国史上恥ずべき大事件ののちに書かれた本で、2024年のトランプ復活の前に出版されています。よく知られているように、アメリカの大統領選挙は、世界でも他に類を見ない歪なスタイルをとっていて、選挙での少数派が結果的に勝利するということが当たり前に起こっています。トランプが勝利した2度の大統領選挙も、全国での得票数は対戦相手のほうが上回っていたにもかからずなぜか勝利してしまった。実は2000年代以降のアメリカ大統領、上院、下院の選挙で、共和党の得票総数が民主党のそれを上回ったのは数度だけであるにもかかわらず、その多くに共和党が勝利しているという奇妙な制度なんです。日本のような多党制だと目立ちませんが、二大政党が支配するアメリカではかなり目立ちます。だれも疑問に思わないというのがとても怖い。勉強になる本でした。(1/22)

 

013/013

肥満の科学 ヒトはなぜ太るのか」リチャード・J.ジョンソン

これも面白かった。ヒトはなぜ太るのか。ヒトという生物の生存本能が、イザという時のため体内に脂肪を蓄積させてしまうといわれていますが、この本では膨大な研究の蓄積から、そのスイッチを探すというテーマに絞り込み、考察を加えています。細かな分析は省略しますが、果糖旨味塩分の三つが、そのトリガーになると解明されています。それらの『地雷』を避けつつ、必要な栄養を補給するためのダイエット方法についても提示されていますので、興味にある方はぜひお読みください。とりあえず、コメ、小麦を減らして、ビタミンcのサプリを吞んでいます。(1/22)

 

014/014

18マイルの境界線 法医昆虫学捜査官」川瀬七緒

これもお気に入りのシリーズなんですが、結構久しぶりの新刊ということで、かなり驚いています。また、続きがあるのかなぁ。(1/25)

 

015/015

『黒人』は存在しない アイデンティティの釘付けについて」タニア・ド・モンテーニュ

『黒人女性-クローデット・コルヴィンの知られざる人性』というノンフィクション小説と表題のエッセイが収録された一冊で、昨年新聞の書評で取り上げられていたことから、ぜひ読みたいと図書館で探してきました。この小説は、1960年代、アメリカ・モンゴメリーのバスボイコットに端を発する人権運動を描いたもので、白人に席を譲らなかったため逮捕されたローザ・パークスと運動を主導したマルティン・ルーサー・キング・ジュニアの陰に隠れて、 無き物にされた一人の少女にスポット当てた習作です。(1/27)

 

016/016

ネット怪談の民俗学」廣田龍平

ネット上で語られる怪談、都市伝説といったものについて、まじめに考察された研究書です。いかんせん、ネットスラングに疎い身にはかなり難解で、何度も放り出しそうになりました。ネット怪談の黎明期は、いわゆる『掲示板』という特殊なサイトに文字情報として発信されたものが、その後画像を含むようになり、現在は映像も加えて広がっているようです。さらに今では、本物と見分けがつかないほどにつくられた映像が幅を利かせるようになり、何がなんやらわからなくなってきました。そのうち、そんなフェイク動画が重犯罪や戦争を巻き起こすようになれば、『怪談』などとふざけている場合ではないかもしれません。(1/28)

 

017/017

科学的根拠で子育て 教育経済学の最前線」中室牧子

教育経済学の第一人者による近著です。様々なデータを駆使して、効率的な子育てについて描かれています。残念ながら、日本ではこの方面の研究がほとんど進んでいなくて、海外のデータばかりであるのがとても残念です。いずれにせよ、家庭での親子の会話や習慣づけが、経済的には最も有用であるそうです。(1/30)

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018/018

公爵さま、いい質問です 行き遅れ令嬢の事件簿2」リン・メッシーナ

こちらも最近読み始めたコージーミステリのシリーズです。主人公の女性が、どんどん人が変わったように成長していく様がとても好感持てます。続きを読みます。(1/31)

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