とにかく暑かった8月の成果です。最終的に小説が11冊、それ以外の書籍が3冊で計14冊という結果になりました。今月も、先々月よりはましでしたが、あまり数字は伸びませんでしたね。
ちょっと虎の試合中継に気持ちがとられてしまって、読書に集中できなかったきらいが否めません。
そんな中でのお薦めですが、
小説では、本屋大賞の候補となっていた『探偵小石は恋しない』が、評判どおり面白かったかなと思います。ミステリというにはちょいと違うけど、全体としてみるとちゃんとミステリになっているという、不思議な感じの小説でした。お薦めします。
あとは、川瀬さんの『ビューティフルワースト』もよかったです。悪が連鎖していく姿とSNSの恐ろしさがたまらない。本当に最低な奴しか出てこないので、心して読んでほしいのですが、結構面白かったです。お薦めです。
続いて小説以外では、『日本史のなかの酒』がなんといっても秀逸でした。広告でタイトルを見ていたのですが、歴史好き、酒好きの私には見逃せないタイトルで、すぐに予約して読むことができました。とても興味深いテーマについて、数ページにまとめられていて、とても読みやすく、楽しめました。お酒が飲めない方にもおすすめの一冊です。
8月は、全国的にゲリラ豪雨に見舞われた月でしたね。千葉県での災害の様子は目を疑うような光景でした。亀岡でも月末の深夜に豪雨に見舞われ、翌朝は電車も止まって出勤が叶わないということもありましたが、幸い大きな被害がなくてほっとしていました。
9月は台風のシーズンですし、これ以上大きな災害が出ないことを祈るのみです。
001/110
「豊臣家の包丁人」木下昌輝
ちょっと期待して読んだのですが、それほどでもなかった。今、大河ドラマで話題の豊臣兄弟に焦点を当てた物語で、転機となる場面に現れる一人の料理人が主人公であるらしい。まぁ、創作の物語なのですが、ところどころに史実が紛れ込んでいるのでややこしい。そういう意味で読みにくい本でした。(8/2)
002/111
「チャックの数奇な人生 イフ・イット・ブリーズ 」スティーヴン・キング
これまで知らなかったのですが、キングは毎年定期的に数編の中編小説を書き、合本にして出版していているそうで、この本もその一冊で、2編の中編小説が収められています。2編ともいわゆるハートウォーミングな小説で、いずれも映画化されているというなかなかの習作です。ちょっと毛色が変わっていて、面白かったです。(8/4)
003/112
「検証 異次元緩和」原田泰
黒田元日銀総裁が主導した『異次元緩和』について、当時の日銀政策委員会審議委員である著者が、データを用いて検証したもの。つまりは内輪の評価です。お察しのとおり、自画自賛のオンパレードで、この政策のおかげで雇用は改善し、生産性もGDPも伸び、自殺者も減少し、良いことづくめの結果をもたらしたとのこと。もちろんアベノミクスも大絶賛です。歴史にIFはないので、異次元緩和をしなかった世界がどうなっていたかを検証することはできないので、我々庶民には結果を甘んじて受け入れるしか道はない。しかしながら中央銀行にできるのは金融政策だけであり、財政や為替政策については全く責任がないと胸を張るのは釈然としない。(8/5)
004/113
「風林火山のむすめ」木下昌輝
まさか、こんなに時間を置かずにこの作者の本を読むことになるとは思いもしませんでした。タイトルだけに惹かれて借りてきたので、作者名までは気が廻らなかったというのが正直なところなのですが。主人公は武田信玄の娘。父親の追放、信長への裏切り、諏訪家を滅ぼし娘をそくしつにしたことなど、かつて信玄が犯した5つの悪行について、その理由を探っていくという物語で、作者の独自の歴史解釈が含まれています。実際はどうだったのでしょうね。(8/6)
005/114
「奇妙な花嫁候補 ロンドン謎解き結婚相談所」アリスン・モントクレア
こちらは、最近お気に入りのシリーズの最新刊です。第二次大戦後、二人の訳アリの女性が共同で開いた結婚相談所が舞台。今回は主人公の一人の人生にとってとても大きな出来事が起きようとしているとき、それを邪魔をする弁護士が殺されるという大事件が起こります。その謎を解く二人。相変わらず面白かったです。(8/8)
006/115
「定食屋『雑』」原田ひ香
多分この方の小説を読むのは初めてだと思います。主人公は、夫に離婚を切り出されている主婦と定食屋の女主人。その定食屋を舞台に、二人の人生が描かれます。お料理小説かと思って借りてみたら、普通の人情本でした。(8/14)
007/116
「四日間家族」川瀬七緒
自殺をするためネットを介して集まった4人の男女が、山中の車内で、ことに及ぼうとしたときに、目の前で捨てられた赤ん坊を保護したことから、誘拐犯として疑われ、ネットで狩られる事態に陥る。それを打破するために、本来の誘拐事件の犯人を追いかけるという物語。登場人物のキャラクターには若干引いてしまいますが、物語としては面白かったです。(8/17)
008/117
「ザ・ネバーエンディング・ストーリー 東京バンドワゴン」小路幸也
シリーズの最新作の一つ前。昨年出版されていたのですが、読みそびれていました。今作は、大河小説のスピンオフ版で、昭和の終盤まで時代が遡ります。進行中の物語の中ではすでに亡くなっている、主婦二人の姿が生き生きと描かれています。(8/19)
009/118
「神の光」北山猛邦
『消失もの』というジャンルがあるとは知りませんでした。その消失ものという縛りの中で書かれた5編の短編集です。世間の評価は高いようですが、イマイチぴったりきませんでした。(8/20)
010/119
「ビューティフルワースト」川瀬七緒
SNSの書き込みで損害賠償請求を受けている主婦、盗撮で生徒から脅されている教師など、ろくでもない5人の人物を主人公にした小説。まぁ、よくこれほどろくでもない人物を考え付いたなと感心しました。とぉっても後味の悪い小説でしたが、めちゃくちゃ面白かったです。(8/23)
011/120
「日本史のなかの酒」『日本歴史』編纂委員会編
これは面白かった。『日本史』つまり、『文書』の中で『酒』がどのように描かれてきたかを考察する30本近くの論文を集めたものです。特に古代編がとてつもなく面白く、『続日本紀』に記されている禁酒令について書かれたものは秀逸でした。当時、人と人が集まりお酒を片手にときに政権への不満を語り合うのが常だったようで、記録に残ろところでは、『奈良麻呂の乱』『応天門の変』の前後に禁酒令が出されているようです。いやぁ、面白かった。(8/27)
012/121
「探偵小石は恋しない」森バジル
ようやく読めた今年の本屋大賞8位作品。浮気調査を得意とする私立探偵小石の物語。単なる謎解きミステリではなく、登場人物の過去に焦点を当てた謎解きが軸となる、一風変わった作品です。ちょっとやられましたね。(8/27)
013/122
「大江戸フューチャーズ」稲葉大樹
紀州藩主から徳川将軍となった徳川吉宗が、さまざまな改革を進めるうえで、軍師として抜擢したのが、家康時代にも暗躍した忍びの集団『今猿』。さまざまな知恵を授け、改革を実行していきます。ちなみに、『今猿』と書いて『こんさる』と呼ぶそうです。(8/28)
014/123
「井上ひさしの『子供につたえる日本国憲法』」井上ひさし
平和については、強い気持ちを持っておられた著者が、子供に平和について理解を深めてもらうため、日本国憲法の前文と第9条について、いわさきちひろさんの絵とともに、平易な言葉で書き記したものです。今の日本国憲法ができたとき、文部省が全国の子供向けに作った『新しい憲法のはなし』という名著があるのですが、なんとしても現行憲法を改定したいと考えている政権は、学校で憲法について詳しく教えることを忌避する傾向にあるようです。本当に改定が必要と考えるのであれば、積極的にその内容について教えていくべきだと思うんですがね。(8/31)